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教えて、あなたのキモチ
第2章 商談のお供
「説明に一生懸命で気づいていなかったかもしれないが、バーコードは舐めるような目で君を見ていた。手元の資料ではなく」
一気に背中に悪寒が走った。
自分が美人だなんて思ってはいないが、バーコードオヤジに好かれるのは嬉しくもなんともない。例え取引先だろうと。
「も…もう、いいです。分かりました…」
首をふるふると振りながら話を打ち切った。
「…俺も」
「はい?」
「俺も、一個聞いてもいい?」
「あ、どうぞ…」
少しの沈黙の後、質問が発せられた。
「池澤さんって恋人いたりする?」
真面目な顔して意外にどストレートな質問だと思った。
「いませんよ」
一旦言葉を切って、少し考えてから言葉を続けた。
「二年前に別れたきりです」
「ふーん…もてそうだからいると思った。もったいない」
これは…口説かれているのだろうか。でも眞鍋さんだし、ただ聞いてみただけ、なんてこともなさそうだ。ということは…そういうこと?しかし少し口角を上げただけの表情からは何も読み取れない。
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