この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
教えて、あなたのキモチ
第2章 商談のお供
「眞鍋さんは?」
「…まぁ、遠距離だけど」
「へぇ…どんな感じの方なんですか?彼女さん」
眞鍋さんは一瞬宙を仰ぐと、じっと私の顔を見つめている。
「そうだな、池澤さんに似てるな」
「へっ」
思いがけない返答に、間抜けな声が出てしまったと同時に、後頭部に力を加えられ抱き寄せられた。
目を閉じる間もなく、唇が重ねられる。
やがて口内を動き回る生暖かい感覚。アルコールのせいなのか、やたらリアルに伝わる。
「…っ、ん」
酸欠に吐息がもれ、目尻に涙が浮かんだところでようやく解放された。
「…悪い、酔ったみたいだ。おやすみ」
眞鍋さんはそのまま部屋を出ていった。後に残されたのは数本の空き缶と呆けた私だけ。
(い、今のって…)
思考回路の遮断されそうな頭で、必死に考える。
「キス…された…」
思わず唇に指を当てる。さっきの出来事がフラッシュバックした。
「とっとりあえず、片付けて寝なきゃね!」
大きなひとりごとを言って、空き缶をビニール袋に入れてから、ベッドにダイブした。
―ベッドに入ったはいいものの、なかなか寝つけなくて寝返りを打ってばかり。
翌日(厳密には今日)の移動時間は、そっくり睡眠時間に充てられたのだった。
「…まぁ、遠距離だけど」
「へぇ…どんな感じの方なんですか?彼女さん」
眞鍋さんは一瞬宙を仰ぐと、じっと私の顔を見つめている。
「そうだな、池澤さんに似てるな」
「へっ」
思いがけない返答に、間抜けな声が出てしまったと同時に、後頭部に力を加えられ抱き寄せられた。
目を閉じる間もなく、唇が重ねられる。
やがて口内を動き回る生暖かい感覚。アルコールのせいなのか、やたらリアルに伝わる。
「…っ、ん」
酸欠に吐息がもれ、目尻に涙が浮かんだところでようやく解放された。
「…悪い、酔ったみたいだ。おやすみ」
眞鍋さんはそのまま部屋を出ていった。後に残されたのは数本の空き缶と呆けた私だけ。
(い、今のって…)
思考回路の遮断されそうな頭で、必死に考える。
「キス…された…」
思わず唇に指を当てる。さっきの出来事がフラッシュバックした。
「とっとりあえず、片付けて寝なきゃね!」
大きなひとりごとを言って、空き缶をビニール袋に入れてから、ベッドにダイブした。
―ベッドに入ったはいいものの、なかなか寝つけなくて寝返りを打ってばかり。
翌日(厳密には今日)の移動時間は、そっくり睡眠時間に充てられたのだった。