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教えて、あなたのキモチ
第4章 些細なはずの不調
空調チェックのせいでエアコンは切られてしまっていて、フロア内は冷えているから尚のことツラい。
チラッと左手の腕時計を見る。あと三時間か…。
こんな時の体感時間は果てしなく長い。
(残業になりませんように)
背筋を伸ばして、パソコンに向き合った。

(あー…やっと終わった…)
結局一時間の残業。
パソコンの電源を落とすと同時に、デスクに突っ伏した。
「池澤さん?」
ゆっくり顔を上げながら、声がした左側を向くと、珍しく残業していたらしい鷲宮主任が、心配そうな顔で私の顔を覗きこんでいる。
「…やっぱり。顔色悪いと思ってたんだ。大分我慢してたでしょ」
「大丈夫です、ちょっと頭痛がするだけですから。もう帰りますし」
と無理矢理笑顔を返した。
笑っただけでもピクッと嫌な痛みが走る。
私は思わず顔をしかめた。
「一人だと心配だな…。小橋!」
鷲宮主任は、棚にファイルを片付けようとしていた匠海くんを呼び止めた。
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