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教えて、あなたのキモチ
第4章 些細なはずの不調
「はい?」
「池澤さん、かなり具合悪そうだから送ってやって。お前が一番家近いから」
周囲に話が漏れないように、トーンを抑えて話している。
「業務終わっただろ?」
頼むな、と匠海くんの肩をポンとして鷲宮主任はデスクに戻っていった。
ロッカールームから荷物を取り出して廊下に出ると、匠海くんが待ってくれていた。
「持とうか?」
「…平気」
「病人は素直に甘えた方が得だよ」
ひょい、と私の鞄を持ち上げ、階段をゆっくりと降りる。
「家まで持ちそう?」
「…どうかな」
と力なく笑うものの、実際、痛みがガンガン響いて、喋るのも億劫なほどにまでなっていた。
いつの間に呼んでいたのか、会社の前にはタクシーが停まっていた。
匠海くんは乗り込むなり、
「一番近いビジネスホテルにお願いします」
とドライバーさんに告げた。
通りを数分走るとホテル街に着き、そろそろとタクシーを降りた。
「池澤さん、かなり具合悪そうだから送ってやって。お前が一番家近いから」
周囲に話が漏れないように、トーンを抑えて話している。
「業務終わっただろ?」
頼むな、と匠海くんの肩をポンとして鷲宮主任はデスクに戻っていった。
ロッカールームから荷物を取り出して廊下に出ると、匠海くんが待ってくれていた。
「持とうか?」
「…平気」
「病人は素直に甘えた方が得だよ」
ひょい、と私の鞄を持ち上げ、階段をゆっくりと降りる。
「家まで持ちそう?」
「…どうかな」
と力なく笑うものの、実際、痛みがガンガン響いて、喋るのも億劫なほどにまでなっていた。
いつの間に呼んでいたのか、会社の前にはタクシーが停まっていた。
匠海くんは乗り込むなり、
「一番近いビジネスホテルにお願いします」
とドライバーさんに告げた。
通りを数分走るとホテル街に着き、そろそろとタクシーを降りた。