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教えて、あなたのキモチ
第4章 些細なはずの不調
何で?と思った私の心の声を読み取ったかのように、匠海くんは言葉を続けた。
「何かすごく申し訳なさそうにしてるからさ。前に一緒に帰った時、イブにデートしようって言ったの覚えてる?」
「…うん」
「俺、結局フリーのままだし。…唯衣ちゃんもでしょ?」
「はい」
意図していなかったが、思いの外小さな声で返事をしてしまった。
「ハハッ、『はい』って」
しばらく肩を揺らして笑っていた匠海くんは、言葉を続けた。
「そんなに深く考えないでさ、今回のお礼のつもりで一日付き合ってくれたら嬉しいんだけど。どう?」
「…分かった」
「よし、決まり。じゃ、もうちょっと寝よう」
「うん、…おやすみなさい」
私の返事が合図かのように、パチッと灯りが消された。
目覚めた時には匠海くんの姿はなく、ふとライティングデスクに視線をやると、メモ書きと半分に折られたお札が目に入った。
近づいて見てみると、相変わらずの丸字で『チェックアウトよろしく』と書かれている。
「了解しました、っと」
身支度を整えて、それらを鞄にしまうとホテルを後にした。
「何かすごく申し訳なさそうにしてるからさ。前に一緒に帰った時、イブにデートしようって言ったの覚えてる?」
「…うん」
「俺、結局フリーのままだし。…唯衣ちゃんもでしょ?」
「はい」
意図していなかったが、思いの外小さな声で返事をしてしまった。
「ハハッ、『はい』って」
しばらく肩を揺らして笑っていた匠海くんは、言葉を続けた。
「そんなに深く考えないでさ、今回のお礼のつもりで一日付き合ってくれたら嬉しいんだけど。どう?」
「…分かった」
「よし、決まり。じゃ、もうちょっと寝よう」
「うん、…おやすみなさい」
私の返事が合図かのように、パチッと灯りが消された。
目覚めた時には匠海くんの姿はなく、ふとライティングデスクに視線をやると、メモ書きと半分に折られたお札が目に入った。
近づいて見てみると、相変わらずの丸字で『チェックアウトよろしく』と書かれている。
「了解しました、っと」
身支度を整えて、それらを鞄にしまうとホテルを後にした。