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blossom
第9章 Love8:心開かせる男
こんな馬鹿みたいな話をしたのは生まれて初めてだった。男とか女とかではなく、カウンセラーという人だから話せるんだと思う。

とは言え、顔と名前どころか年齢も住んでるところも知らない。


[ 眠くなってきたから、もう寝るね]

[ ああ、分かった。おやすみー]

[ おやすみ、また明日]


毎日何かしらのやり取りをするのが普通になっていた。

「ママ最近メールしながら笑ってるよね」
夕食のときに突然愛花に指摘された。

「そうだった?お友達とLINEしてて笑っちゃったかな?」

「ご機嫌だもんね、ママ」

「いつもだいたいママはご機嫌でしょ?」
と陸人。

「そうだねぇ、りっくんが夏休みの読書ぜーんぶ読み終わったらもっとご機嫌になるんだけどなー」

「はいはい、分かってますよ。あと五冊ね?」

他愛もない会話が幸せだ。夫の方を見ると、愉快そうに笑っている。カウンセラーにぶちまけてるお陰で、夏休みを楽しく過ごせていた。


その夜、主人が子供たちを連れて実家に行く相談をしてきた。その間、私は自分の実家に帰って、母の様子をみてきては?と言ってくれたのだ。
こうして夏休みの終わりに、私も夏休みを貰うことになったのだった。
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