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blossom
第11章 Love10:そそる男
Honeysでは、佐野くんと週に一回顔を合わせているけれど、一切会話もないままやり過ごせている。上村さんと高野くんは、佐野くんから事情を聞いたのか、その後何も触れてこない。
「やっと夏休み終わったねー」
上村さんはトレーをうちわにして扇いでいる。
「お昼作りとかキツくなかった?」
「麺ばっかり、大活躍でしたよ」
「ほんと、それ」
「ねぇ、桂木さん、ちょっと相談なんだけど」
「はい。シフトですか?」
「実はさ、この日なんだけどね」
上村さんは、カレンダーの土曜日を指さした。
「一緒に出かけることにしてくれない?」
高野くんと出かける口裏合わせをして欲しいとのことだった。私にとっても都合がいい。お互いの連絡先を交換して、一緒にバス旅行に行くということで話を進めることにした。
その夜、夫に確認をとると二つ返事で了承してくれた。日帰りのつもりでいたけれど、どうせ行くなら泊まってくれば?と言われてしまう。
(もう疑っていない…?)
夫の考えは読めないけれど、自分を止めることはできなかった。
夫の目の前で上村さんに電話をする。
泊まりでもいいと言ってくれたから、そっちのコースにしようか?とパンフレットを見ながら話す。
私の頭の中は冴島さんのことでいっぱいだった。
「やっと夏休み終わったねー」
上村さんはトレーをうちわにして扇いでいる。
「お昼作りとかキツくなかった?」
「麺ばっかり、大活躍でしたよ」
「ほんと、それ」
「ねぇ、桂木さん、ちょっと相談なんだけど」
「はい。シフトですか?」
「実はさ、この日なんだけどね」
上村さんは、カレンダーの土曜日を指さした。
「一緒に出かけることにしてくれない?」
高野くんと出かける口裏合わせをして欲しいとのことだった。私にとっても都合がいい。お互いの連絡先を交換して、一緒にバス旅行に行くということで話を進めることにした。
その夜、夫に確認をとると二つ返事で了承してくれた。日帰りのつもりでいたけれど、どうせ行くなら泊まってくれば?と言われてしまう。
(もう疑っていない…?)
夫の考えは読めないけれど、自分を止めることはできなかった。
夫の目の前で上村さんに電話をする。
泊まりでもいいと言ってくれたから、そっちのコースにしようか?とパンフレットを見ながら話す。
私の頭の中は冴島さんのことでいっぱいだった。