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blossom
第11章 Love10:そそる男
そこからはあっという間だった。

冴島さんに伝えるとその日で調整をつけてくれることになり、待ち合わせ時間と場所を決めた。


自分に任せてと言っていた上村さんからは、名前入りの日程表を貰った。最初は私の名前で予約して、高野くんに変更したらしい。二人で東北とは、意外だった。

(思っていたよりも案外本気なのかな?)


私はその日程表をチラリと夫に見せてから、タンスの一番奥に隠した。旅行会社に問い合わせされても困るので、上村さんの連絡先だけ残して行くつもりだ。


たった一泊の旅行なので、はりきり過ぎないように自重した。ピンクの下着は夫に在処を知られている今、到底持ち出すことはできない。

(冴島さんはガッカリするかな…)

夫に不審がられないように、そして冴島さんに重いと思われないように、その後一切連絡はしていない。


ただただ週末を待ちわびる毎日。


このワクワクする気持ちは、当然カウンセラーにだけしか打ち明けていないが、それで十分だった。
楽しんでおいでと言ってもらえる嬉しさ。


おしゃれ過ぎず、ラフ過ぎない服を選びたい。
ニットのフレアワンピース、ストライプのシャツとネイビーのスカート、チェック柄のシャツワンピース、シフォンのブラウスとプリーツのスカート…

ベッドに並べて迷うのも、また楽しい。

そんなに着替える暇はないだろうか、むしろずっと服は着ていないかも。想像して恥ずかしくなった。
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