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blossom
第11章 Love10:そそる男
待ち合わせは東京駅だった。
時間ぴったりに待ち合わせ場所に現れた冴島さんは、紙袋を三つ手にしていた。
「これ?さくらさんのご家族用のお土産です。」
じっと見ていた私の視線に気づいたようだ。
「え?」
「アリバイ。」
笑った冴島さんは、なんだか少年のようにも見えた。ちらっと見せてくれた袋の中には、ご当地でしか買えないようなものばかりが揃っていた。
「すごい、完全犯罪ですね」
「それから、これはさくらさんへ」
いつもの蝶の紙袋を渡された。袋がいつもよりも大きい。
「あ、あのっ、この間いただいたピンクの…」
そこから口ごもってしまった。
「その…それを…持ってこれなくて…」
「大丈夫ですよ、そこにいっぱいありますから」
また冴島さんが笑った。でも今度は色気たっぷりの大人の笑みだった。
ドキッとして目を逸らしてしまう。照れ隠しに聞いてみた。
「あとの、もう一つは?」
「これは…さくらさんと食べようと思って。あ、でもまだ内緒です。」
「気になりますー」
「さくらさん、どこか行きたいところはありますか?約束の時間まであと四時間近くあるんですが。」
「四時間ですか…」
冴島さんの目を見上げると、冴島さんもじっと私の目を見つめていた。
「もう静かなところに行きましょうか?」
「二人だけになれるところがいいです。」
冴島さんは紙袋を片手に持ったまま、私の肩を抱き寄せた。私は人目も気にせずその胸の中に顔を埋めて、冴島さんの香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
時間ぴったりに待ち合わせ場所に現れた冴島さんは、紙袋を三つ手にしていた。
「これ?さくらさんのご家族用のお土産です。」
じっと見ていた私の視線に気づいたようだ。
「え?」
「アリバイ。」
笑った冴島さんは、なんだか少年のようにも見えた。ちらっと見せてくれた袋の中には、ご当地でしか買えないようなものばかりが揃っていた。
「すごい、完全犯罪ですね」
「それから、これはさくらさんへ」
いつもの蝶の紙袋を渡された。袋がいつもよりも大きい。
「あ、あのっ、この間いただいたピンクの…」
そこから口ごもってしまった。
「その…それを…持ってこれなくて…」
「大丈夫ですよ、そこにいっぱいありますから」
また冴島さんが笑った。でも今度は色気たっぷりの大人の笑みだった。
ドキッとして目を逸らしてしまう。照れ隠しに聞いてみた。
「あとの、もう一つは?」
「これは…さくらさんと食べようと思って。あ、でもまだ内緒です。」
「気になりますー」
「さくらさん、どこか行きたいところはありますか?約束の時間まであと四時間近くあるんですが。」
「四時間ですか…」
冴島さんの目を見上げると、冴島さんもじっと私の目を見つめていた。
「もう静かなところに行きましょうか?」
「二人だけになれるところがいいです。」
冴島さんは紙袋を片手に持ったまま、私の肩を抱き寄せた。私は人目も気にせずその胸の中に顔を埋めて、冴島さんの香りを胸いっぱいに吸い込んだ。