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blossom
第12章 Love11:共有する男
赤い下着姿のままソファに座って待つ。

「緊張してる顔してますね」

「はい…」

「これ、つけましょうか」
ツルツルの生地の目隠しを見せられた。

前のレースのものとは違って、動いても取れにくそうな……本物だ。

頭の後ろでパチンとアイマスクのボタンをハメられた瞬間、自分の心臓の音が急に大きくなる。

「ふぅ…」

口の前に軽く組んだ両手が少し汗ばんできた。

静かな部屋の中、空調の音がうるさいほどだった。ブブッと短く冴島さんのスマホが震えたのが聞こえた。

(着いたって連絡かな?)

うなじに唇。

「はぁぁん…」

「そろそろ来ますよ」
触れたまま動く唇が、両腕の神経を一気に逆立てる。


インターフォンが鳴った。


「楽しんで」
冴島さんは私の耳元でそう囁いて、離れていく。


私は、ふぅぅぅっと細く息を吐いて、心を落ち着かせる。


ガサガサと人が動く気配…


別の部屋でこそこそ話しているようだった。


「お待たせしました」

冴島さんに手を引かれソファから立ち上がる。どこかに移動するのかと思ったけれど、立ち止まってしまった。

誰だか分からないキス
びっくりして一瞬顔を引いてしまったけれど、唇を開いて舌を受け入れる。

冴島さんのキス…のような気がして、舌で応えはじめる。しかし、両耳が誰かの口に含まれるとすぐに、私の舌は動くことを忘れてしまった。
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