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blossom
第13章 Love12:愛する男
部屋を出る直前まで冴島さんの舌は私を舐め続けていた。私の舌も冴島さんのことを味わっていた。

エレベーターの中でも、人目を避けつつ硬くなったものを触っていた。

「さくらさん…よかったら私の家に来ますか?」
冴島さんは絡めた指を持ち上げて唇を寄せながら言った。

「いいんですか?」
私も離れたくなかった。でも奥様と調停中って…

「このままご主人のところに帰したくない」

私の返事を聞かずにタクシーを止めて行き先を告げた。


約二十分でマンションの前に到着してしまった。

(奥様と住んでいた部屋なのかな…)
そう思うと、タクシーを降りたあとの一歩が踏み出せない。

「人が来るのは初めてなので、緊張します」

「初めて?」

「引っ越してきてまだ二ヶ月くらいなんで」
たったそれだけの言葉で足に羽が生える。

エレベーターの中でまた吸い寄せられるように抱きしめ合う。

一分一秒を惜しむように。
タイムリミットは確実に近づいている。

玄関を入ってすぐに冴島さんは私の足元に跪いた。スカートの中に頭を入れてショーツを脱がすと同時に太ももにキス。

(またイカせてくれるの?その舌で…)


昨日と今日だけで一生分の快感を味わっている自負がある。冬眠して過ごした十年分を計算してもお釣りが来るほどの回数分、絶頂したと思う。

あちこち筋肉が張っているから、きっと明日か明後日には筋肉痛になってるんだろうな。
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