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blossom
第16章 Love15:焦らす男
学生時代の友達と会いたいと夫に言うと、二つ返事で了承してくれた。
お互いに調整して金曜日の夜、カウンセラーと会うことにした。自分はどうとでも理由をつけられるからと、私の希望する駅で待ち合わせることにした。

年齢も顔も職業も知らないまま、待ち合わせの時間と場所だけ決めた。



分かりやすい待ち合わせ場所に、五分前に到着した。

他にも待ち合わせをしている人は何人もいる。
私たちの唯一の連絡手段はネットのメッセージボックスだ。

時間になるまでは待つことにする。


6時ちょうどになって、次々と待ち合わせをしてた人たちが去っていく。

メッセージボックスを見てみるとカウンセラーからメッセージが届いていた。

[もしかして、白っぽいコート着てる?]
心臓がギュッとなる。

(もうここに来てるんだ…どうしよう…)

キョロキョロしないように気をつけながらゆっくりと周りを見る。

[クリーム色ね]

やっぱりそれらしい人はいないように思える。それらしい、というのは、あくまで私の勝手なイメージだけど。

[思ってたよりも更に清楚な感じ]

(見られてる!)
ついうっかりキョロキョロと辺りを見回してしまう。

[ずるいよ!カウンセラーはどんな格好してるの?!]


「こんばんは」
スラッと背の高い、黒いコートの男の人が声をかけてきた。
(顔、ちっちゃい…)

「こんな格好、でした」

リアルな男の声で、いつもみたいな軽口をたたく。

(この人がカウンセラー…)
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