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blossom
第19章 Love18:見られた男
冴島さんの車を見送ったあと、スマホを確認すると通話は切られていた。
重たい足取りで夫の待っているであろう我が家の車に近づいた。冴島さんの精子に濡れたままの私を車に乗せるのだろうか。
外から覗くと夫が後部座席からわざわざ外に出て、私の方に近づいてきた。
泣き腫らしたような目をしている。
「……パパ…」
「ごめん、さくら」
「大丈夫?」
「家に帰ろう…」
そう言うと、夫は助手席のドアを開けてくれた。
車の中はムワッと、生臭いような匂いが充満していた。
(私たちのを聞きながら…)
マンションの前で降ろされた。夫はこのまま仕事に戻ると言う。
「パパ…大丈夫?気をつけてね?」
「あぁ…」
素っ気ない態度に、不安で仕方がなくなる。
(やっぱりダメだったんだ…)
ドアを閉めるとすぐ、車が動き出した。私はため息を着いて車に背を向けた。涙が零れそうだったからだ。
(まずはシャワーを浴びて…)
考えているとバタンッと大きな音がした。振り返ると夫がエンジンもそのままに駆け寄って来ていたのだ。
「さくらっ!愛してるよ!本当に。さくら。」
まるで映画の主人公のように私を抱きしめる夫。
ご近所の方に見られやしないかとハラハラして、私の涙は引っ込んだ。
「早く帰るから!」
「うん。分かった。」
夫は涙目のまま、車へ戻って行った。
重たい足取りで夫の待っているであろう我が家の車に近づいた。冴島さんの精子に濡れたままの私を車に乗せるのだろうか。
外から覗くと夫が後部座席からわざわざ外に出て、私の方に近づいてきた。
泣き腫らしたような目をしている。
「……パパ…」
「ごめん、さくら」
「大丈夫?」
「家に帰ろう…」
そう言うと、夫は助手席のドアを開けてくれた。
車の中はムワッと、生臭いような匂いが充満していた。
(私たちのを聞きながら…)
マンションの前で降ろされた。夫はこのまま仕事に戻ると言う。
「パパ…大丈夫?気をつけてね?」
「あぁ…」
素っ気ない態度に、不安で仕方がなくなる。
(やっぱりダメだったんだ…)
ドアを閉めるとすぐ、車が動き出した。私はため息を着いて車に背を向けた。涙が零れそうだったからだ。
(まずはシャワーを浴びて…)
考えているとバタンッと大きな音がした。振り返ると夫がエンジンもそのままに駆け寄って来ていたのだ。
「さくらっ!愛してるよ!本当に。さくら。」
まるで映画の主人公のように私を抱きしめる夫。
ご近所の方に見られやしないかとハラハラして、私の涙は引っ込んだ。
「早く帰るから!」
「うん。分かった。」
夫は涙目のまま、車へ戻って行った。