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blossom
第20章 Love19:狂わせる男
夫にこれまでのことを話してしまったことを伝えれば…このまま涼くんとは会わずに終わるかもしれない。
涼くんに与えられたあの苦しい時間は、そのまま身を攀じるほどの快感の渦として身体が記憶してしまった。

[ さくら?]

「……夜はもう…」

[ もしかして、バレた?]

「一部…だけだけど」

[ さくらんとこもヤバいんだ]

「それが、そうとも言えなくて…」

[ 修復しようって方向?よかったじゃん!]

「修復…そうね、そういう感じかな、確かに」

[ レスは?解消しそう?ってか、もうした?]

「うん…まあ、そう…かな?」

[ なんだ、じゃあ俺なんて必要なしか。さくらの肌が恋しかったのに、残念]


「涼くんっ……あのね…」

(最後にもう一度だけ…)
(ダメっ、もう踏み外さない)
(拓人さんも喜ぶかもしれない…)
(今度こそ私たち壊れちゃうかも)
(涼くんにまた意地悪されたい…)

天使と悪魔が戦っていた。


「日中なら……うん9時とか…3時に戻れれば」

悪魔に屈した瞬間の私の声を、夫が録音していたなんて考えもしなかった。
てっきり私と冴島さんの会話を何度も繰り返して聞いているのかと思っていたけれど、本当は日中の私の行動を録音してずっと監視していたのだった。



そんなことを知らない私は、涼くんと日時を相談して、もう一度会う約束をしてしまった。
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