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blossom
第4章 Love3:若い男
三十分くらい経ったころ、上村さんが少し火照りの残った顔で出てきた。
「桂木さんっていくつだったっけ?」
「35です。」
「そっかぁ、若いねー」
頭からつま先までを品定めされるかのように見られた。
「上村さんだって若いじゃないですか?」
社交辞令でも言っておかないと…女の世界は怖いから。
その後もちょくちょく事務室に戻っては、出てこない上村さん。こんな風に働いてること、旦那さんには内緒にできてるのかなぁ…。
なんとなくではあるけれど、自分にはそんな器用なことができないような気がする。
きっちり時間まで仕事をして、お先に失礼する。
次の出勤は明日。冴島さんがあの店に来るという曜日は、出勤できない日として申請してある。自転車に跨りスーパーに寄って夕食の買い物をしてから帰る。
時間が経つのを嬉しく感じるのは、冴島さんに会えるのをたのしみにしているから。
「機嫌がいいね、何かいいことあった?」
夕食の片付けのとき、主人に指摘されギクッとしてしまった。
「そんなことないよ?いつも通り。」
「そうか…」
私になんて興味が無いと思っていたけれど、意外と目ざといところがあるのね。気をつけないと。
私の中に罪悪感がないのは、きっとまだ一線を越えていないと感じているから。山根くんのことをかき消すほどの出来事だけれど、でも一線は越えていない。
まだ。
いつか、越えるのだろうか…
例えば明後日…?
「桂木さんっていくつだったっけ?」
「35です。」
「そっかぁ、若いねー」
頭からつま先までを品定めされるかのように見られた。
「上村さんだって若いじゃないですか?」
社交辞令でも言っておかないと…女の世界は怖いから。
その後もちょくちょく事務室に戻っては、出てこない上村さん。こんな風に働いてること、旦那さんには内緒にできてるのかなぁ…。
なんとなくではあるけれど、自分にはそんな器用なことができないような気がする。
きっちり時間まで仕事をして、お先に失礼する。
次の出勤は明日。冴島さんがあの店に来るという曜日は、出勤できない日として申請してある。自転車に跨りスーパーに寄って夕食の買い物をしてから帰る。
時間が経つのを嬉しく感じるのは、冴島さんに会えるのをたのしみにしているから。
「機嫌がいいね、何かいいことあった?」
夕食の片付けのとき、主人に指摘されギクッとしてしまった。
「そんなことないよ?いつも通り。」
「そうか…」
私になんて興味が無いと思っていたけれど、意外と目ざといところがあるのね。気をつけないと。
私の中に罪悪感がないのは、きっとまだ一線を越えていないと感じているから。山根くんのことをかき消すほどの出来事だけれど、でも一線は越えていない。
まだ。
いつか、越えるのだろうか…
例えば明後日…?