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blossom
第5章 Love4:見ていた男
下腹部から腰回りにかけてどんよりと居座る重だるさ。毎月定期的にやってくる月のものは、妊娠の予定もない私には憂鬱でしかない。終わるまでの約五日は、できるだけ家でじっとしていたい。
しかしその日は午前中に学校でPTAの集まりがあり、行かない訳にはいかなかった。事務作業を終えて帰る途中、あのコインパーキングで冴島さんの車を見かけた。
(そういえば、今日は…)
思わず自転車から降りてしまったけれど、どうすべきだろうか…店の前で立ち止まった足は、答えを出すより先に自転車のスタンドを立てていた。
カランコロン
洋食屋のドアを開けると、冴島さんは一番奥の二人がけの席に座っていた。他に客は二組ほど。
顔を上げた冴島さんはガタッと席を立って、自分の向かい側の席を薦める。
「さくらさん、もう会えないかと…」
微笑んだ冴島さんは、前よりも素敵に見えた。
「先週、いらっしゃらなくて…私…」
言ってから後悔する。どれだけ楽しみにしてたんだと思われてしまう。
「急なトラブルで…すみません」
「はい、カニクリームコロッケお待ちどうさま」
店主が冴島さんの料理と一緒に私の水を持ってきた。
「私は…私も同じものを」
「はい、カニクリームコロッケね」
店主が背中を向けた途端、冴島さんは口を開いた。
「さくらさん、この後時間は?」
しかしその日は午前中に学校でPTAの集まりがあり、行かない訳にはいかなかった。事務作業を終えて帰る途中、あのコインパーキングで冴島さんの車を見かけた。
(そういえば、今日は…)
思わず自転車から降りてしまったけれど、どうすべきだろうか…店の前で立ち止まった足は、答えを出すより先に自転車のスタンドを立てていた。
カランコロン
洋食屋のドアを開けると、冴島さんは一番奥の二人がけの席に座っていた。他に客は二組ほど。
顔を上げた冴島さんはガタッと席を立って、自分の向かい側の席を薦める。
「さくらさん、もう会えないかと…」
微笑んだ冴島さんは、前よりも素敵に見えた。
「先週、いらっしゃらなくて…私…」
言ってから後悔する。どれだけ楽しみにしてたんだと思われてしまう。
「急なトラブルで…すみません」
「はい、カニクリームコロッケお待ちどうさま」
店主が冴島さんの料理と一緒に私の水を持ってきた。
「私は…私も同じものを」
「はい、カニクリームコロッケね」
店主が背中を向けた途端、冴島さんは口を開いた。
「さくらさん、この後時間は?」