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blossom
第6章 Love5:入れない男
Honeysのパートでは、一度だけ佐野くんと重なったけれど、体調がイマイチだと言って断った。しょんぼりした顔もまたシロクマみたいでかわいかった。



待ちに待った日の朝、家族を送り出してからシャワーを浴びる。身体を拭いて全身にボディウォーターを吹きかけてから、あの下着を身につけた。
色気のないつま先を見て、次に会うときはネイルも…と心に決める。

(この下着にはどんな色が似合うのだろう…)

そう思った矢先、見透かされたかのように夫から電話がかかってきた。

[ 今大丈夫?]

「どうしたの?」

[ 日中は予定あるんだっけ?]

「えっと、買い物に行くよ…ちょっと遠くに」

[ 市役所に行って欲しかったんだけど、今日は無理かな?]

時計を見る。急いで用意すれば、待ち合わせ前に寄れるだろう。
「急ぎなら行くけど…明日でもいいなら…」

[ できれば今日だと助かるな]

「分かったー」

煩わしいとさえ思ってしまう、悪い妻だ。黒いレースによって、女の欲が隠しきれなくなってしまう。

ふぅっと小さく息を吐き、身支度を始める。

小さなダイヤのネックレスをつけて、服を着ると見た目はいつも通りの桂木さくらだ。
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