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満たされないシェアハウス
第2章 エ・ス
あぁ…
他では感じられない
脳の快感と
全身の神経が
一点に集まるような痙攣

いったの…久しぶり

カチャッ

自分の手で導いたのとは違う
深い快感に目を閉じていると
スイッチを切るような音が聞こえて
私の足が解放された

そうだ、私
冬馬に
いかされちゃったんだ…

どうしよう
恥ずかしくて
目が開けられない

そう思ってると
冬馬が
ふわりと私の髪を撫でた

「このまま寝てもええで。
恥ずかしいやろ?
俺と顔合わせんの」

わかってるなら
こんなこと…

「せやけど
恥ずかしい思わんでええからな?
俺からしたら
こんなん普通やし」

普通って…どう言う意味

「俺、明日から仕事やけど
帰り遅いから
俺のことは気にせんと
琴姉先に寝ててええから」

私を強引にいかせるほどSなのに
冬馬の声はとても甘くて優しい

その声があまりにも近くて
つい
手を伸ばして
縋りつきたくなる

あぁ
このまま
抱きしめてくれたらいいのに

「今日はありがとうな。
やっぱここに来て良かったわ。
おやすみ、琴姉」

「……」

結局その夜
目を開けることができず
冬馬に
おやすみの一言も言えないまま
私は
冬馬が部屋から出て行く音を
聞いていた

だって
どんな顔すればいいのか
わからなかったから

それに…

寝たふりをしてたら
抱きしめてくれるかもと
期待していたから

結局
そんなことは
してもらえなかったけど…


ねぇ、冬馬
どうして
こんなことしたの

どうして
ここへ来たの


明日から私
どうすればいいのよ

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