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満たされないシェアハウス
第13章 満たされた寂しさ
side 冬馬


あかん
こんな暗くて狭いとこにおったら
頭おかしなりそうや
外の空気でも
吸いに行こ

俺は
携帯と財布を持って
ネカフェから外に出ると
大きく息を吸った

まだ
外の方がマシやな…

携帯の電源は切ったまま

電源入れたら
琴姉に連絡してしまいそうやからや

それでも
その携帯を持ってんのは
未練がましいよな

そう思いながら
俺は琴姉の顔を思い浮かべた

琴姉は大丈夫やろうか
辰巳と喧嘩してんちゃうやろか…
俺がおらんなったくらいで
泣くことは無い思うけど
さすがに
弟に『変なこと』とか言われて
傷ついてるやろな…

依存は大丈夫やろか

俺がやったオモチャ
使うてくれたら
ええねんけど…


それから俺は
コンビニに入り
缶ビールを買って
ネカフェへと戻った

けど
またあの暗い部屋に
入る気分にはなれず…
俺はまた
あてもなくフラフラと
歩き始めた

あぁ…
一人になってもうたな

彼女もおらへんのに
辰巳とも琴姉とも
拗れてもうて
辰巳とこの
おじさんとおばさんにも
もう会いづらいよなぁ…

アホやな
俺は

一番大事やったのに

一番大事やったから
我慢せなあかんかったのに…

くそ…

なんや妙に泣けてきて
その涙が
止まらんくて

俺は
人気のない狭い路地に入ると
その場にしゃがみ込んで
頭を抱えた

後悔しかなかった

自分の気持ちに
ずっと嘘ついてでも
隠し通さなあかんかったんや
そしたら
こないなことに
ならんかったのに…

「冬馬」

な、なんや?


頭おかしなったんか?

なんで琴姉の声が
聞こえんねん

「冬馬…大丈夫?」

こ…琴姉?

驚いて顔を上げると
そこには
心配そうに俺を見つめる
琴姉が立っていた



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