この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
満たされないシェアハウス
第13章 満たされた寂しさ

あいつ…
絶対言うなって
あれほど言うたのに
どうやら辰巳は
琴姉に
俺の気持ちを言うてしもうたらしい
琴姉とは
ちょっと落ち着いたら
話くらいできるかもと
期待しててんけど
これでもう
琴姉とも
縁、切れたな…
そうがっかりした俺は
身体の力が抜けて
持ってた缶ビールを
袋ごと地面に落としてしまった
すると琴姉は
何を勘違いしたのか
一気に喋り始めた
「ご、ごめん。
そんなわけないよね。
やだ、あたし何言ってんだろ。
た、辰巳のバカが変なこと言うから
信じちゃって。
そんなわけないもんね。
歳上だし
も、ほんと
ふつーの、てゆーか
普通以外だし
家ではダラダラしてて最悪だし」
「琴姉」
「わ、わかってるって
じょーだんなんでしょ?
あたしが元気ないから
だから」
「ちゃうねん」
「え?」
「辰巳の話はほんまや」
「…もういいって…」
「ほんまのこと言うたら
引かれる思うて
言われへんかった」
すると
琴姉は
落としたビニール袋を拾って
俺に渡しながら
苦笑いを見せた
「無理しないで。
そんな、ほんとあり得ないし
グルになってんでしょ?
あたしが
恥かかないようにとかさ。
どうしようもないね
こんな大人になっても
年下のあんた達に…
っ…気をつかわせたりして
ほんと…っ、最悪…」
琴姉は
その言葉のあと
唇を噛み締め
そして
大粒の涙で頰を濡らした
泣かんとってくれ
琴姉
「琴姉…」
その時
俺はもう何も考えられへんなってた
とにかく
泣いてる琴姉を
放っておけんなって
琴姉を抱きしめたんや
嫌がられるかも
知れへんのに…
絶対言うなって
あれほど言うたのに
どうやら辰巳は
琴姉に
俺の気持ちを言うてしもうたらしい
琴姉とは
ちょっと落ち着いたら
話くらいできるかもと
期待しててんけど
これでもう
琴姉とも
縁、切れたな…
そうがっかりした俺は
身体の力が抜けて
持ってた缶ビールを
袋ごと地面に落としてしまった
すると琴姉は
何を勘違いしたのか
一気に喋り始めた
「ご、ごめん。
そんなわけないよね。
やだ、あたし何言ってんだろ。
た、辰巳のバカが変なこと言うから
信じちゃって。
そんなわけないもんね。
歳上だし
も、ほんと
ふつーの、てゆーか
普通以外だし
家ではダラダラしてて最悪だし」
「琴姉」
「わ、わかってるって
じょーだんなんでしょ?
あたしが元気ないから
だから」
「ちゃうねん」
「え?」
「辰巳の話はほんまや」
「…もういいって…」
「ほんまのこと言うたら
引かれる思うて
言われへんかった」
すると
琴姉は
落としたビニール袋を拾って
俺に渡しながら
苦笑いを見せた
「無理しないで。
そんな、ほんとあり得ないし
グルになってんでしょ?
あたしが
恥かかないようにとかさ。
どうしようもないね
こんな大人になっても
年下のあんた達に…
っ…気をつかわせたりして
ほんと…っ、最悪…」
琴姉は
その言葉のあと
唇を噛み締め
そして
大粒の涙で頰を濡らした
泣かんとってくれ
琴姉
「琴姉…」
その時
俺はもう何も考えられへんなってた
とにかく
泣いてる琴姉を
放っておけんなって
琴姉を抱きしめたんや
嫌がられるかも
知れへんのに…

