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満たされないシェアハウス
第13章 満たされた寂しさ
「琴姉
泣かんとってくれ…
そんで
信じてくれ…
ほんまなんや
辰巳の話は全部ほんまで
ずっと前から
琴姉のこと、好きやったんや
ずっとずっと昔から好きで…
けど
言えんかった…
琴姉に
相手にされへん思うて…」

「…嘘…」

「嘘やない」

そう言うて
琴姉をぎゅうっと抱きしめると
琴姉が
俺の胸の中で呟いた

「…好きなのに…」

その声を聞いて
俺は
抱きしめる手を緩め
琴姉の瞳を
しっかりと見つめた

すると
琴姉は
潤んだ瞳で
俺を見上げた

「好きなのに…
あんなことしたの?」

「そうや、好きやからや。
好きやから
キスしたかったし
一緒におりたかった。
琴姉を
他の男に触られたなかった。
けど…
好きとは言えんかった」

「冬馬…」

「…酷いことして…悪かった」

「冬馬」

「……」

「あたしも言えなかったの」

「ん?」


「辰巳に…
辰巳に言われて
ここに来たの。
ちゃんと言わなきゃダメだって」

「何を?」


「あ、あのね…」

「うん」




「あたしも


冬馬が………好きなの」



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