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満たされないシェアハウス
第3章 ス・キ


「男と違うて言えへんやろ?
使いとうても
使いたい言えへんねん。
男は風俗行けるけど
女は行かれへん。
そーゆーのがあかんねん」

「と、冬馬…酔ってる?」

「せやから
琴姉にこれやるから、な?
寂しいん我慢したらあかんで?」

私の話
全然聞いてないじゃん

挙げ句の果てには
私を慰めてるつもりなのか
おもちゃを手に握らせて
私の頭を撫ではじめた

私の頭を撫でる冬馬は
距離が近いせいで
抱き寄せられてるみたい

ダメだよ冬馬
ほんと
こんなのダメだって…

「寂しい時あるやろ?
恋人とも別れて
友達も結婚して
急に一人になったら
辛い時あるよなぁ」

な、なんなのよこれ…
暗闇の中
髪を撫でながら囁く
優しい声

…だめ…
あたし、ちょっと
ときめいてる

「絶対あんねん…
誰かて寂しい時とか
嫌なこと忘れたい時とか…

なぁ、琴姉…

俺の仕事
馬鹿にせんとってな…」

えっ…

「ば、馬鹿になんて
あ、冬馬?
大丈夫?」

突然冬馬は
私にもたれかかったかと思うと

「あ、あかん、ごめん眠い
無理や…」

そう言って
ベットに寝転がってしまった

な、なんなのよ
だから飲み過ぎなんだってば!

一瞬
冬馬が私にもたれかかり
カーッと身体が熱くなった私は
慌てて立ち上がっていて
でも手には
しっかりと
おもちゃを握りしめていた

そして
大人になった冬馬が
ベットで身体を小さく丸めて
寝てる姿を見ていると
なんだか少し…切なくなっていた

『俺の仕事
馬鹿にせんとってな…』

明るく振る舞ってるけど
大変なんだろうな…
冬馬は
そーゆーとこあるから

私は
そんな冬馬に
布団をかけてあげると
静かに部屋を出て
そして
自分の部屋に入り
握りしめていたおもちゃを
ベットの枕元に置いた

いらないなんて
言えないじゃない

だって
冬馬が言ったことは全部
本当のことなんだもん

女だって
したい時はある
優しくしてくれる人がいなくて
辛い時もある
別れた恋人を
忘れられなくて
自分で慰めたくなる日もある
セックスレスの夫婦だっているだろう

けど

それを誰にも言えないし
風俗に行けるわけでもないし
相手が誰でもいいわけじゃない

あたしも
寂しい

あたしも
忘れたいこと
いっぱいある

モヤモヤしてること
全部忘れたくて
ひとりですること…あるから…

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