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第6章 ワ・ケ

「…冬馬…」

「なぁ、琴姉
ええ機会やし
ちょっと…本音で話さへんか？
俺、琴姉が
ほんまはどう思うてんのか
知りたいねん」

そんな…
本音なんて
言えるわけないじゃん
冬馬のことが好きだなんて
口が裂けても…

「いつから嫌やったか
教えてくれへんか？」

「え…」

「嫌って言うたやろ。
アレ、いつから嫌やった？」

いつからって
いつからだっけ…

「わ、分かんないけど
でも辰巳が来た日は…嫌だった」

「何が？」

な、なにって…

「どれ？」

どれって…

「直で言うけど
辰巳がおる時したんがあかんかった？
それか
ローターやのうて
俺が…
オモチャ中に入れたんが
あかんかった？
あ、けど見てないで
見てないけど
それ？
それとも、その…
他に…俺がその…」

他って…何？
けどそれよりも
冬馬の説明が
あまりにも直球すぎて

「恥ずかしくて死にそう」

リアルに言葉にされると
穴があったら入りたいほど
恥ずかしくて
私は両手で顔を隠してしまった

「…ごめん」

「ううん、ごめんね
さすがに恥ずかしくて…
で、でも
ちゃんと話すね。
えっと…うまく言えないんだけど
なんて言うか
あの『いや』の意味は…
怖くなっちゃったっていうか…」

「怖い？」

「…うん。
辰巳が来て
その…アレ、した時
私じゃないみたいっていうか
なんかすごくその…
恥ずかしいくらい反応しちゃって
た、多分
もともとそんなんじゃなかったと思うの
だからもし
このまま続けてたら
もっと自分の身体が
変わっていく気がして…」

「琴姉」

「なに？」

「それ…俺のせいや」

え？

「う、ううん。
モニター協力するって言ったのは
私だし
だから冬馬だけのせいじゃなくて」

「ちゃうねん。
琴姉はなんも変わってへんねん」

「どういう…意味？」

「あの日…ちょっとイタズラしてもうて」

冬馬は
バツの悪そうな顔で
頭をかきながら話を続けた

「ちょっと感じやすなるヤツ
内緒で使うてもうたんや。
せやから
あん時のはソレのせいやねん」

「ど、どういうこと？」