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スカーレットオーク3
第1章 1 二人きり
車から降りて、久しぶりに買い換えたSUV車を眺めた。(カーキで正解だったな)
少し山奥に入った直樹の住まいは木々に囲まれており、セルフビルドで建てた木造の家は時間の経過とともに周囲の自然とも溶け込み、素朴で温かみのある雰囲気になっている。
兄の颯介からは相変わらず地味な趣味だと言われたが、彼ののメタリックな大型ミニバンを思い出すとこれくらいのほうが自分には似合っているし落ち着くと改めて思う。(後で洗車しよう)
玄関に息子のスニーカーがないことに気付いた直樹は今日明日、優樹が修学旅行で居ないことを思い出す。(十二年ぶりか……?)
妻の緋紗と二人きりになるのは何時振りか忘れるくらい過去のことのように感じる。(洗車はまた今度だな)
銀縁の角ばった眼鏡の位置を人差し指で少し直し、ふっと笑いながら直樹はそっと家に忍び込み、リビングをこっそり抜け、台所を覗いた。緋紗は甲斐甲斐しく食事の支度をしている。
少し山奥に入った直樹の住まいは木々に囲まれており、セルフビルドで建てた木造の家は時間の経過とともに周囲の自然とも溶け込み、素朴で温かみのある雰囲気になっている。
兄の颯介からは相変わらず地味な趣味だと言われたが、彼ののメタリックな大型ミニバンを思い出すとこれくらいのほうが自分には似合っているし落ち着くと改めて思う。(後で洗車しよう)
玄関に息子のスニーカーがないことに気付いた直樹は今日明日、優樹が修学旅行で居ないことを思い出す。(十二年ぶりか……?)
妻の緋紗と二人きりになるのは何時振りか忘れるくらい過去のことのように感じる。(洗車はまた今度だな)
銀縁の角ばった眼鏡の位置を人差し指で少し直し、ふっと笑いながら直樹はそっと家に忍び込み、リビングをこっそり抜け、台所を覗いた。緋紗は甲斐甲斐しく食事の支度をしている。