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スカーレットオーク3
第8章 9 嫉妬
 直樹は運転があるので、柚香のグラスと緋紗のグラスにワインは注がれた。

優樹もテーブルに着き、みんなで乾杯をしてから食事を始めた。

柚香が料理に感心をする。

「奥さんはすっごい料理得意なんですねえー。これじゃお店です」

「あ、いえ。これ主人なの」

「え。大友さんの?」

「お父さんは料理うまいんだよ。お母さんのご飯も美味しいけどね」

 優樹が自慢そうに言った。

「すごいですねえ。私は料理全くダメなんですよねー」

「そうなんだね」

 直樹は優しく微笑んだ。



 柚香の話を聞いてやり、飲み物や食事にさりげない気配りをする直樹に、今更ながら緋紗は(直樹さんってなんでもできるよなあ)と感心して見た。

と、同時に柚香の直樹を嬉しそうに見つめる様子に少し暗い気持ちを感じる。(女性の多い職場だったらモテモテなんじゃ……)



 他の男の組合員に対する態度と全く一緒だと思うが、なんとなく柚香に対してはもっと優しい態度のように映ってしまう。(これからずっと若くてかわいい子のこと一緒に仕事するんだ……)

なんだか不安になってきてしまい、ワインを一人で飲んでしまった。
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