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スカーレットオーク3
第10章 11 夫婦
園子が病室に戻ってきた。
「コーヒーどうぞ」
「すみません。いただきます」
少し鼻の下をこすって眼鏡を直し直樹はコーヒーを啜った。
「今、困ったことがあるんじゃないのか」
「ないわけじゃないですけど、何とかなると思います」
昔から直樹の様子を察して望月はさりげなく気遣ってくれていた。
「うんうん。まだこれから色々あると思うけど大丈夫そうだな。でも頼れるときはちゃんと人を頼るんだぞ」
「はい」
「俺の身体がなくなるだけだ。そんな辛そうな顔すんじゃねえよ」
望月は何でもないことのように言う。
「そうかもしれないですけど、まだそんな達観できませんよ」
直樹は少し微笑んで返すと、園子が静かに話す。
「この人と一緒になって色んなことがあったけど、やっぱりこの人で良かったと思うんですよ。私の時代にはまだまだ女には選べないことも多かったけど今でもきっとこの人を選ぶと思うのよね」
「おい。直樹の前で恥ずかしいこと言うんじゃねえ」
照れて望月は布団をかぶり中から言った。
「俺もお前を選ぶよ」
園子は笑いながら泣いた。
直樹は自分たちもいつかこんな夫婦になれるようにと願う。
そして望月から受け取ったものを次の世代を担う人に渡していこうと改めて思うのだった。
「コーヒーどうぞ」
「すみません。いただきます」
少し鼻の下をこすって眼鏡を直し直樹はコーヒーを啜った。
「今、困ったことがあるんじゃないのか」
「ないわけじゃないですけど、何とかなると思います」
昔から直樹の様子を察して望月はさりげなく気遣ってくれていた。
「うんうん。まだこれから色々あると思うけど大丈夫そうだな。でも頼れるときはちゃんと人を頼るんだぞ」
「はい」
「俺の身体がなくなるだけだ。そんな辛そうな顔すんじゃねえよ」
望月は何でもないことのように言う。
「そうかもしれないですけど、まだそんな達観できませんよ」
直樹は少し微笑んで返すと、園子が静かに話す。
「この人と一緒になって色んなことがあったけど、やっぱりこの人で良かったと思うんですよ。私の時代にはまだまだ女には選べないことも多かったけど今でもきっとこの人を選ぶと思うのよね」
「おい。直樹の前で恥ずかしいこと言うんじゃねえ」
照れて望月は布団をかぶり中から言った。
「俺もお前を選ぶよ」
園子は笑いながら泣いた。
直樹は自分たちもいつかこんな夫婦になれるようにと願う。
そして望月から受け取ったものを次の世代を担う人に渡していこうと改めて思うのだった。