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穢れ
第1章 穢れ
 先生が、半袖のシャツを着るようになったから、わたしは夏が来た事を知った。
 クラスのみんなはとっくに、6年生になってるはずだ。


 教室の匂いを時々、先生が連れて帰ってくる。
 記憶の中のクラスのみんなの声は鮮明に思い出せるのに、顔は白くぼやけたみたいに、思い出せない。
 みんなはわたしを覚えているだろうか。



 先生が脱いで、枕元に投げたシャツの匂いを嗅ぎながら、わたしの身体に覆いかぶさってくる先生を受け入れた。



 珍しく、今年は5、6年生は持ち上がりだったらしい。
 だから、先生は今年も、わたしの担任だ。
 もっとも…5年生の終わりから、1度も学校へは行ってないんだけど。



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