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好きと依存は紙一重
第1章 決意
連はポッキーを1本抜くと、ホイップクリームをたっぷりつけてかじった。よく味わったあと、口元を押さえて頬を綻ばせる。可愛らしい仕草に、未亜の頬まで緩む。
(何この人、オトメンってやつ?)
「こないに甘おして美味しいもの、初めて食べた……」
「気に入ってくれたようでよかった」
はじめはパフェを食べながら色々聞こうと思った未亜だが、せっかくの初パフェタイムを邪魔してはいけないと思い、質問は後回しにすることにした。そのかわり、他にどんな素晴らしいスイーツがあるのかを聞かせる。
「ファミレスとかには置いてないけど、マカロンってスイーツも美味しいよ。見た目も丸くて可愛いしね。流行りだしたのは最近だけど、かなーり昔からある伝統的なスイーツなんだよ」
「へぇ、物知りどすなぁ」
連は感心したように言いながら、最後のひと口を食べ、紙ナプキンで口を拭った。先に食べ終えていた未亜は、伝票を持って立ち上がる。
「ま、物書きだからね。ゆっくりしてたいけど、宿探すよ」
「そこまでしてもらうわけには……」
「困ってんだから遠慮しない! ほら、行こ」
困惑する連を置き去りにし、未亜はレジに行って会計をする。お釣りを受け取ったところで、連がリュックサックを背負ってスーツケースを転がしながら来た。
「とりま外出よ」
「待っとぉくれやす。お金、これで足りるのん?」
連は綺麗に折りたたまれた1万円札を、未亜に差し出した。金銭感覚のズレに、未亜はため息をつく。
「そんなに高くないよ。てか、家出してんならお金は大事にしときな。はやく行こ」
1万円札を押し返すと、その腕を掴んでファミレスを後にした。外に出た瞬間、寒さで震える。
(アタシのバカ! ファミレスでホテル探してから出ればよかったじゃん!)
後悔しながらも、ホテル街に向かって歩き出す。
「どこに向かってるんどすか?」
「ホテル街。いくら持ってるか知らないけど、放っておいたら高いホテル行きそうだし。今日はラブホ泊まろ」
未亜が言い終わる前に、連は彼女の腕を振りほどいた。何事かと振り返ると、連は目を吊り上げ、静かな怒気を放っている。
(何この人、オトメンってやつ?)
「こないに甘おして美味しいもの、初めて食べた……」
「気に入ってくれたようでよかった」
はじめはパフェを食べながら色々聞こうと思った未亜だが、せっかくの初パフェタイムを邪魔してはいけないと思い、質問は後回しにすることにした。そのかわり、他にどんな素晴らしいスイーツがあるのかを聞かせる。
「ファミレスとかには置いてないけど、マカロンってスイーツも美味しいよ。見た目も丸くて可愛いしね。流行りだしたのは最近だけど、かなーり昔からある伝統的なスイーツなんだよ」
「へぇ、物知りどすなぁ」
連は感心したように言いながら、最後のひと口を食べ、紙ナプキンで口を拭った。先に食べ終えていた未亜は、伝票を持って立ち上がる。
「ま、物書きだからね。ゆっくりしてたいけど、宿探すよ」
「そこまでしてもらうわけには……」
「困ってんだから遠慮しない! ほら、行こ」
困惑する連を置き去りにし、未亜はレジに行って会計をする。お釣りを受け取ったところで、連がリュックサックを背負ってスーツケースを転がしながら来た。
「とりま外出よ」
「待っとぉくれやす。お金、これで足りるのん?」
連は綺麗に折りたたまれた1万円札を、未亜に差し出した。金銭感覚のズレに、未亜はため息をつく。
「そんなに高くないよ。てか、家出してんならお金は大事にしときな。はやく行こ」
1万円札を押し返すと、その腕を掴んでファミレスを後にした。外に出た瞬間、寒さで震える。
(アタシのバカ! ファミレスでホテル探してから出ればよかったじゃん!)
後悔しながらも、ホテル街に向かって歩き出す。
「どこに向かってるんどすか?」
「ホテル街。いくら持ってるか知らないけど、放っておいたら高いホテル行きそうだし。今日はラブホ泊まろ」
未亜が言い終わる前に、連は彼女の腕を振りほどいた。何事かと振り返ると、連は目を吊り上げ、静かな怒気を放っている。