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好きと依存は紙一重
第1章 決意
「会うたばっかりの男とそないなとこに行こうとするなんて、どうかしてます」
(へぇ、世間知らずでもラブホは知ってたんだ)
 怒られているにも関わらず、未亜は冷静な頭で他人事のような感想を抱いた。
「別にセックスするわけじゃないし、しても構わないよ。というか、この時間じゃ普通のホテルは受け入れてくれるところそんなにないと思うよ? ラブホなら安いし、この時間でも泊まりやすいしさ」
「誰とでもって、破廉恥な……! どない安おしても、そういったとこに行くのんは気ぃ引ける!」
 頑なに拒否する連に、未亜は心底驚いた。自分の可愛さを自覚している未亜は泊まるところに困ると、近くを通りがかった男性に声をかけてラブホテルに行っていた。妻や彼女がいる人には断られたが、そうでない男は鼻の下を伸ばし、未亜をホテルに連れ込んだ。

 それなのに、目の前にいる青年は破廉恥だと言って未亜の誘いを突っぱねた。それどころか、軽蔑の目を向けてくる。こんなことは初めてだ。
(箱入り故に、心がキレイなんだろうなぁ)
 今時珍しいと感心しながら、心を切り替える。
「じゃあ普通のホテル探そ。けど、一緒に泊まる。色々話聞かせてほしいし、協力できることがあれば協力するから」
「どうしてそこまで……」
「面白そうだから」
 子供のような無邪気な笑みを浮かべて言う未亜に、連は吹き出した。

「あんさんっておもろい人どすなぁ。分かった、一緒に行きまひょ。そのかわり、部屋は別どすえ」
「うん、それでいいよ。じゃ、近くのホテルから回ってこうか」
「はい」
 こうしてふたりはスマホの地図アプリを頼りに、近くのホテルを訪ねて回ることにした。クリスマスじゃないんだからすぐに見つかるだろうと思っていた未亜だが、苦戦を強いられることになった。
 1軒目は満室だと断られ、2軒目と3軒目は予約がないからと断られてしまった。4軒目のホテルにつく頃には、ふたりとも心身共にだいぶ疲弊してしまった。
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