この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
「連様? まだ寝ていらっしゃるのかしら?」
 ドアの向こうから聞こえる声に、連は盛大なため息をついてドアを開ける。連の胸に小さな拳が振り下ろされるも、1歩さがって避けた。
「れ、連様、申し訳ありません!」
 外を覗き込むと、薄桃色の着物を着た花梨が深々と頭を下げていた。彼女を見た瞬間、未亜の胸は疑問と不安でいっぱいになった。いくら声で彼女だと分かっていたとはいえ、こうして姿を見るとショックでどうにかなりそうだった。

「いえ、構いまへん。ここではなんどすさかい、どうぞ中へ」
「いえ、すぐに済みますので。旦那様からです」
 そう言って花梨は白い封筒を差し出した。連は封筒を受け取ろうとせず、花梨を睨みつけている。身体が震えているのは、怒りからなのか、父親に見つかった恐怖からなのかは、本人にしか分からない。どちらにせよ、少しでも和らげばと彼の手を握った。

「ねぇ、連のことなんで言ったの? アタシ、昨日言ったよね? 連のこと大事なら放っといてって。そもそもなんでここに来たの?」
「花梨、姫さんに何したんどす?」
 顔と声を険しくした連に花梨は1歩後ずさるも、必死に首を横に振る。
「わ、私、連様のこと、旦那様に言ってません! 私達が偶然会った時、旦那様も連様に気づいていたのです」
「姫さんに何したか聞いてるんだよ」
 花梨が告げ口を否定すると、連は低い声で問い詰めた。これには未亜も驚き、思わず連の手を強く握ると、安心させるように優しく握り返された。

「私、連様がご自分の意志で出ていったと信じられなくて……。おつかいに行ったらそちらの女性を見かけて、それで……、その、お話を聞いて……」
「本当に、話を聞いただけか?」
「あの、えっと……」
 連の豹変ぶりに花梨はどもりながら視線を宙にさ迷わせる。よく見ると瞳が潤んでおり、さすがに可哀想だと思った未亜は、連の手を軽く引っ張って明るい声を出す。
/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ