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好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
「そら、気持ち的な問題言うのん……」
「あはは、そっかそっか」
 これ以上問い詰めるのは可哀想だと思い、頬にキスをする。連はキスをされた頬に触れ、罰が悪そうに顔を背けた。
「姫さんのいけず……」
 連がボソリと言うのが拗ねた子供のようで可愛くて、未亜は思わず吹き出した。

「笑わへんどぉくれやす」
「だって、連可愛いんだもん。ね、ご飯行こ。おなか空いた。どうせ冷蔵庫の中、ビールしかないんでしょ?」
「そんなんあらしまへん。2日前にちゃんと買い出ししたんどすさかい」
 ムキになって言う連に冷蔵庫を開けて確認してみると、一通りの野菜が揃っていた。他にも豆腐やひき肉などがあるが、ビールがほとんどを占めていることに変わりはない。

「うん、えらいえらい。けど、作る気力ないから食べに行こ」
「はい」
 連と外食して夕食を済ませると、風呂に入って同じベッドに入る。入浴時に「一緒に入る?」と聞くと、頬を染めながら断った。
 連の胸板に顔を埋めると不安が溶けていき、未亜はすぐに寝息を立てた。

 翌朝、未亜は簡単な朝食を作り、連はお茶を淹れる。向かい合って座り、いただきますを言おうとしたところで物音が聞こえてきた。
「なんの音?」
「さぁ?」
 ふたりして耳をすましてみると、少し離れたところでドアを叩く音と誰かの声が聞こえた。何を言っているのかは分からないが、若い女性の声だということはかろうじて分かった。ふたりは顔を見合わせ、小首を傾げる。

「誰だろ? 心当たりある?」
 未亜の問いに、連は首を横に振る。
「インターホン押したらええのに、なんで押さへんのどっしゃろ?」
「急いでて気づかないのかもよ」
 こうして呑気に話している間にも、ドアを叩く音と女性の声は聞こえている。連が渋々立ち上がると、未亜は好奇心で着いていく。玄関ドアに近づくにつれはっきり聞こえてくる声に、息が苦しくなる。連を見上げてみると彼も声の主が誰なのか気づいたらしく、顔をしかめている。
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