この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
「その子の言うとおり、話してただけだよ。連は自分の意志で東京に来て暮らしてるから放っといてって」
「……」
連は怪訝そうに未亜を見つめる。昨日未亜が泣いた原因は、花梨の詰問だと察しているのだろう。それは事実だが、これ以上険悪な雰囲気になるのは耐え難い。どうすれば連を落ち着かせることができるか考えあぐねいていると、花梨が勢いよく頭を下げた。
「申し訳ありませんっ! 私、てっきり連様がそちらの方に言いくるめられていると思い込んで、責め立ててしまいました……。それと、ここに来れたのも、道に迷いそうだったから、彼女の後をつけて知ったんです」
「花梨、アンタなぁ……」
「連! 落ち着きなよ。連みたいに実力も人気もある人がいきなり消えたら、周りの人はびっくりするし、違う土地で異性といたらたぶらかされたって勘違いしても仕方ないって。アタシ、こんなだし」
そう言ってヘラヘラ笑ってみせるが、連は険しい顔をしたままだ。素直に謝った花梨が、少し憎らしい。
「あの……」
花梨がおずおずと封筒を差し出しながら言うと、連は渋々受け取りながら彼女を睨みつける。
「花梨、もうここには来いひんこと、父上にはここのこと言わへんこと。ええな?」
「は、はい……! では私、失礼します。本当に、すいませんでした」
花梨は何度も頭を下げると、逃げるようにその場を後にした。連は勢いよくドアを閉めると、未亜を力強く抱きしめる。
「まさか、花梨と会うとったやなんて、思いもしまへんどした。あの子になんか言われて、うちがいーひんようになる思てんどすなぁ? うちは何言われても、京都に戻るつもりはあらしまへん」
「うん、もうその心配はしてないから大丈夫だよ。それより、お父さんはなんて?」
未亜が訊ねると、連は思い出したように封筒を開け、中から手紙を取り出して黙読する。
「……」
連は怪訝そうに未亜を見つめる。昨日未亜が泣いた原因は、花梨の詰問だと察しているのだろう。それは事実だが、これ以上険悪な雰囲気になるのは耐え難い。どうすれば連を落ち着かせることができるか考えあぐねいていると、花梨が勢いよく頭を下げた。
「申し訳ありませんっ! 私、てっきり連様がそちらの方に言いくるめられていると思い込んで、責め立ててしまいました……。それと、ここに来れたのも、道に迷いそうだったから、彼女の後をつけて知ったんです」
「花梨、アンタなぁ……」
「連! 落ち着きなよ。連みたいに実力も人気もある人がいきなり消えたら、周りの人はびっくりするし、違う土地で異性といたらたぶらかされたって勘違いしても仕方ないって。アタシ、こんなだし」
そう言ってヘラヘラ笑ってみせるが、連は険しい顔をしたままだ。素直に謝った花梨が、少し憎らしい。
「あの……」
花梨がおずおずと封筒を差し出しながら言うと、連は渋々受け取りながら彼女を睨みつける。
「花梨、もうここには来いひんこと、父上にはここのこと言わへんこと。ええな?」
「は、はい……! では私、失礼します。本当に、すいませんでした」
花梨は何度も頭を下げると、逃げるようにその場を後にした。連は勢いよくドアを閉めると、未亜を力強く抱きしめる。
「まさか、花梨と会うとったやなんて、思いもしまへんどした。あの子になんか言われて、うちがいーひんようになる思てんどすなぁ? うちは何言われても、京都に戻るつもりはあらしまへん」
「うん、もうその心配はしてないから大丈夫だよ。それより、お父さんはなんて?」
未亜が訊ねると、連は思い出したように封筒を開け、中から手紙を取り出して黙読する。