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好きと依存は紙一重
第1章 決意
「ここがダメだったらラブホにしない? もちろん、部屋別で」
「そうしまひょ。さすがにこれ以上、外におりたない……」
 すっかり身体が冷えきってしまったふたりは、手を擦り合わせたり息を吹きかけたりしながら、4軒目のホテルを見上げる。嫌な顔をされること覚悟で中に入ると、フロントの女性はにこやかに出迎えてくれた。3軒目のホテルであからさまに嫌な顔をされていたふたりは、笑顔を向けられただけで少しホッとする。

「急ですいません。大人ふたり泊まれますか? できれば別室で」
「少々お待ちください」
 女性はパソコンを操作すると、申し訳なさそうな顔を作ってふたりを見上げた。彼女の顔に、また寒い中歩かなければいけないのかと落胆する。
「申し訳ありません、部屋はツインベッドの部屋がひと部屋しかありませんでした」
「じゃあそれでお願いします」
「え!?」
 即答する未亜に、連は素っ頓狂な声を出す。未亜はすかさず鋭い目つきで彼を見上げた。

「ベッド別だからいいでしょ? こんな寒い中、また歩きたい?」
「それは……」
 連は言葉を続けることなく、静かにうつむいた。
「どうなさいますか?」
「大丈夫です、お願いします」
 遠慮がちに聞いてくる女性にそう言うと、割り勘で支払って鍵をもらう。部屋に行こうとしたところで、ホテル内にコンビニがあるのを見つけた。

「ね、今のうち朝食買っとかない? そうした方が楽だよ」
「えぇ、そうしまひょか」
 コンビニに入ると、未亜はおにぎりとサラダを取った。横目で連を見ると、物珍しそうに店内や商品を見回している。余裕があったら色々説明していたが、一刻も早く暖房のきいた部屋に入り、熱い風呂に入りたかった。
「連、はやく選んで。飲み物も忘れずにね」
「あ、はい」
 連が商品を選びだしたのを確認すると、未亜はお茶とサイダー、チョコレートを持ってレジに行く。会計を済ませると、コンビニの外に出て連を待った。
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