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好きと依存は紙一重
第5章 好きと依存は紙一重
 諦めにも似たような気持ちを抱えながらTwitterを開く。フォロワーがリツイートした恋愛botが目に止まる。”運命の人は一緒にいてドキドキするのではなく、一緒にいて落ち着くもの”。この一文は、未亜に衝撃を与えた。まるで鈍器で頭を殴られたような気分だ。
「一緒にいて、落ち着く……」
 これはまさに連のことだ。バラバラになっていた問答が、未亜の中でひとつになっていく。

 好きだから依存し、嫉妬する。連のそばが1番心地いい。連が笑顔でいてくれるなら、なんだってしたい。
 好きという気持ちが溢れかえり、叫びたくなる。一刻も早く、連に会いたい。
 気づけば乱雑に荷物をまとめ、急ぎ足でレジに向かっていた。会計を済ませると、急いで外に出る。空車のタクシーが停まっているのを見つけ、迷うことなく乗り込む。

「どこまでですか?」
 運転手は振り返り、人の良さそうな笑みを浮かべるが、未亜が雑居ビルの住所を伝えると、優しい笑みは訝しげな顔に変わった。雑居ビルは、歩いて5分のところにある。運転手が不思議がるのも当然だろう。
 優しい運転手は何も聞かず、タクシーを走らせた。

 タクシーで約2分、ビル前に着くと支払いを済ませて2階に駆け上がる。勢い良くドアを開けると、連が「姫さん?」と呼びかける声が聞こえる。声は彼の寝室から聞こえた。
 寝室へ向かうとドアはわずかに開いており、更に開いて中を覗き込むと、ベッドの上で髪を拭いている連と目が合った。
「連!」
 連の姿を見た瞬間、愛しさがこみ上げて連の膝の上に乗り、彼を抱きしめる。髪はしっとりと濡れていたが、気にしない。

「あ、あの、姫さん……?」
 連は困惑しながら未亜の肩を掴み、顔を見ようと軽く肩を押す。未亜は素直に距離を取るも、目が合うとキスの雨を降らせた。連が戸惑いながら未亜をなだめるように髪を撫でると、今度は胸板に顔を埋めた。
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