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好きと依存は紙一重
第5章 好きと依存は紙一重
「姫さん、なんかあったんどすか?」
 心配する声に顔を上げると、花がほころぶような笑みを浮かべる。これから両想いであることを知らせると思うと、ワクワクする。
「あのね、連。アタシ、連のこと好き」
「え……?」
 てっきり喜んでくれると思ったが、連は呆然として固まってしまった。もう自分への想いが冷めてしまったのかと不安になり、うつむきそうになったところで連が口を開いた。

「姫さんが、うちを……、好き……?」
 まるで初めて聞いた言葉を真似するかのように、拙い声。
「そうだよ。アタシ、連のこと大好き。連がいないとアタシはダメになる。もっとはやくに気づくべきだったんだけど……」
 この先の言葉は連に抱きしめられ、引っ込んでしまった。痛いくらいの抱擁は、例えようのない幸福をもたらしてくれる。

「嬉しい……。まさか、姫さんがうちのこと好きになってくれる日ぃ来るやなんて……。夢みたいだ……」
「夢じゃないよ。きっと、かなり前から好きだった。けどほら、アタシって天邪鬼だから。なかなか気づけなくてごめんね」
「ええんどす。これからはずっと、うちんねきにおってくれはるのやろう?」
 プロポーズのような言葉に顔中が熱くなり、鼓動が高鳴る。耳まで赤くなっていることを自覚した未亜は、連の胸板に顔を埋めようとするが、頬に手を添えられ、上を向かされてしまった。柔らかな笑みを浮かべた連と、目が合う。

「姫さん顔真っ赤、可愛い……」
 囁くような掠れ声は妙に色っぽく、連が男だと意識してしまう。いつもは中性的な顔立ちと物腰の柔らかい雰囲気や話し方で、あまり男と意識していなかった。
(どうしよ、すごくドキドキする……)
 デリヘルやパパ活を長年していたことから自分は男慣れしていると自負していたが、好きな人は別なようだ。男性にときめくことなど一生無いと思っていただけに、感動もひとしおだ。
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