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好きと依存は紙一重
第5章 好きと依存は紙一重
 連はやんわりと未亜にキスをやめさせると、胸元にキスを落とした。不意打ちのキスに、未亜は小さな声を上げる。
「未亜はほんまにキス好きどすね。うちもキスは好きどすけど、今はあんさんを愛させとぉくれやす」
 甘く優しい声で言う連だが、未亜の豊満な胸を掴む手は少し荒っぽく、胸の形が変わってしまうほど無遠慮に揉みしだかれる。
「や、あぁ……っ、んんっ……」
 まだ敏感な頂部に触れられていないにも関わらず、甘い声が口から零れてしまう。触れてほしいところに触れられないもどかしさで、うっすら涙が滲んでくる。

「れ、連……っ」
 切羽詰まった声で名前を呼ぶと、前触れもなしにじゅるじゅると音を立てながら乳首を吸われ、軽く仰け反ってしまう。それでも連はやめるどころか、もう片方の乳首を親指と人差し指でつまみ、軽く引っ張りながらひねってくる。
「ひゃうぅっ、あ、アッ……ああっ!」
 いつもより感じてしまう自分に戸惑い、連の肩を軽く押す。だが連はその手をひとつにまとめると、片手で頭上に押さえつけ、首筋を甘噛みする。

「んうぅ……! はぁ、連……」
「もっとシて欲しいくせに、何抵抗してるんどすか?」
 ニヤリとサディスティックな笑みを浮かべられ、一瞬呼吸を忘れる。
「……連ってそんなにイジワルだっけ?」
「そう言う未亜は、そないに初心どしたっけ?」
 自分でも困惑していてことを指摘され、顔に一気に熱が集まってくる。連はそんな未亜を見下ろしながら、楽しそうに笑っていた。

「アタシだって、びっくりしてるんだから……。好きって自覚してから、急に恥ずかしくなったり、……その、」
「敏感になったり?」
 ためらっていた言葉をはっきりと言われ、羞恥で言葉が詰まる。
「ふふっ、図星どすか。いつもの飾り気のあらへん未亜も素敵やけど、乙女な未亜も可愛い……」
「なっ、乙……っ!」
 乙女。それは特定の男性相手のちょっとした言動や仕草で一喜一憂し、その男性と一緒になれないと死んでしまう呪いにかかった哀れな女性。少なくとも、未亜の認識ではそうなっている。憧れを塗り潰すように見下していた存在。
 そのメッキが、剥がれる音がした。
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