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好きと依存は紙一重
第1章 決意
(そろそろかな)
 薄目を開けて連が顔を真っ赤にしながら固く目を閉じているのを見ると、未亜は唇を解放した。ゆっくり唇を離せば、銀色の糸を引き、プツリと途切れる。
 連は壁にもたれかかり、そのままずるずるとしゃがみこむ。目線を合わせるように未亜もしゃがむと、連は肩で息をしながら潤んだ瞳で未亜を睨みつけていた。その目には覇気などはまったく無く、むしろ扇情的で、余計に未亜をその気にさせるだけだ。

「なんで、こんな……」
 息も絶え絶えに、眉間にシワを寄せて悩ましげな顔をしながら言う。未亜は連を抱きしめると、額にキスをして襦袢の中に手を滑らせた。程よく引き締まった脇腹を撫でられ、連は目を見開き、小さな声を洩らした。
「可愛いからだよ」
 そう言って自分のバスローブをはだけさせると、たわわな胸を押し付けるように連の首に抱きつき、もう一度深いキスをする。自分を押しのけようとする手を掴んで乳房を揉ませ、もう片方の手で連の長襦袢を乱していく。

 連のささやかな抵抗と苦しげな吐息が、未亜の気持ちを高ぶらせた。
 デリヘル嬢になって知ったことだが、M男というのは案外多い。吊り目気味の未亜がサドに見えたのか、彼女を指名する客の大半はM男だ。彼らの相手はもう慣れたとはいえ、サドに目覚めたわけではない。
 本当に気持ち悪いと思いながら罵り、消えてほしいと願いながらたるんだ尻や腹を叩いていた。
 だが連を前にして、初めてサディスティックな気持ちを抱いている。少し戸惑ったが、悪い気はしない。

「もう、やめとぉくれやす……」
 膝立ちして乱れつつある端正な顔を見下ろしていると、連な上目遣いで懇願してくる。連の首を絞めて苦しませたいという歪な欲望を抑え込みながら、彼の股間に手を伸ばす。情けない顔をしながらも、連のソレは今まで見てきた客のペニスよりも雄々しかった。女を知らないだけあってくすみはないが、日本人の平均サイズよりも少し大きい。特に濃いピンク色をしたカリはエラが張っており、これでナカをかき回されることを想像しただけで濡れてしまう。
(何これ……!)
 顔にそぐわぬペニスに驚きながらも、未亜はサディスティックな笑みを浮かべると、連の柔らかな耳たぶを甘噛みした。
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