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第1章 決意

　未亜は連の首筋に息を呑む。本能のままに覆いかぶさり、連の首筋に歯を立てた。
「いっ！？　なにを……」
「綺麗だから。これ、解いてあげるね」
　加虐心など分からないであろう連に知ってほしくて、未亜は連を拘束していた帯紐を解く。連は未亜を抱きしめて彼女が下になるように転がると、激しく腰を打ち付けた。散々焦らされ続けた連に余裕はなく、未亜の細い腰をがっちり掴んで乱暴に腰を打ち付ける。

「あ、ああっ！　激しい……ふっ、も、少し、んうぅ……っ、ゆっくり……」
「っ……はぁ、無理……」
　ゆっくり、などと言いながら、未亜は夢中で自分を求める連の腰を足でホールドし、両手を伸ばして連の頭を捕まえると、自分の顔に引き寄せて唇を重ねた。

　未亜の方からは触れるだけのキスしかしていないというのに、連の方から舌を入れてきて、未亜の口内を乱雑に荒らした。唾液ごとかっさらうような舌使い、未亜を求めすぎて唇に当たる歯。お世辞にも上手とは言えないディープキスだが、余裕のなさが伝わってきて、自分を渇望していると錯覚する。
「んぅ、ふぅ……ぁ、んんっ……！　イイよぉ！　あっ、アッ、はうぅ、もう、イキそ……」
「うちも、もう……」
　連は切羽詰まったような声で言うと、ラストスパートをかける。滅茶苦茶な律動に合わせて腰を振れば、快楽の波が押し寄せてくる。

「ダメダメ！　あっ……」
　未亜の中で何かがぷつんと弾け、頭が真っ白になる。声にならない声を上げて絶頂を迎えると、その締め付けで連も果てる。
(な、なにこれ……。下手くそなセックスなのに、なんでこんなに気持ちいの？)
　肩で息をしながら今まで感じたことのない快楽に呆然としていると、ずしりと重たいものがのしかかってきた。耳元で寝息が聞こえる。顔をそちらに向けてみれば、連の穏やかな寝顔が数センチ前にある。