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好きと依存は紙一重
第1章 決意
質素な朝食を終えると、未亜はとある人に電話をかけた。だが、相手はなかなか出てくれない。
(この時間だし、寝てるのかな?)
イライラしながらテレビの時計を見ると、7時半だ。遊び人の彼が起きているとは思えない。諦めて切ろうとしたところで、ようやく電話に出た。
『なーに、子猫ちゃん? 朝っぱらから。温かい毛布とミルクをご所望かい?』
少しかすれた男の声が耳に届く。眠そうな声をしながらも、声の主は茶化すように言う。
「違うよ。ちょっととんでもない迷子拾ったから、助けてほしいんだけど」
未亜の言葉に、男は失笑した。殴りたくなるほどのニヤケ顔をしているのが、声だけで伝わる。
『どんな拾い物したわけ? ま、子猫ちゃんの頼みなら聞いてあげるけど』
「ありがと。急ぎだから、午前中に頼める?」
『はー、しゃーないなー。本当はまだ寝てたかったんだけど。9時に市役所前で』
男はめんどくさいと言わんばかりに言うと、電話を切ってしまった。
横目で連を見てみると、ウィッグを片手に洗面所へ行くところだった。だがなにか思い出したらしく、すぐに戻って荷物を漁っている。
(アンタ、アタシに会えてホントにラッキーだったよ)
枕を退かしてウィッグネットを見つけた連を見ながら、未亜は苦笑した。
(この時間だし、寝てるのかな?)
イライラしながらテレビの時計を見ると、7時半だ。遊び人の彼が起きているとは思えない。諦めて切ろうとしたところで、ようやく電話に出た。
『なーに、子猫ちゃん? 朝っぱらから。温かい毛布とミルクをご所望かい?』
少しかすれた男の声が耳に届く。眠そうな声をしながらも、声の主は茶化すように言う。
「違うよ。ちょっととんでもない迷子拾ったから、助けてほしいんだけど」
未亜の言葉に、男は失笑した。殴りたくなるほどのニヤケ顔をしているのが、声だけで伝わる。
『どんな拾い物したわけ? ま、子猫ちゃんの頼みなら聞いてあげるけど』
「ありがと。急ぎだから、午前中に頼める?」
『はー、しゃーないなー。本当はまだ寝てたかったんだけど。9時に市役所前で』
男はめんどくさいと言わんばかりに言うと、電話を切ってしまった。
横目で連を見てみると、ウィッグを片手に洗面所へ行くところだった。だがなにか思い出したらしく、すぐに戻って荷物を漁っている。
(アンタ、アタシに会えてホントにラッキーだったよ)
枕を退かしてウィッグネットを見つけた連を見ながら、未亜は苦笑した。