この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第2章 jester
「なんのこと?」
「いや、もういいです……」
 未亜の行動に言い返す気力がなくなったのか、直己は肩を落としながら言う。未亜は勝ち誇った様な笑みを浮かべると、連の隣に戻った。
「直己をからかうのはええけど、バイトはええんどすか?」
 連に言われて店内の時計を見ると、13時半になっていた。バイト先の本屋まで歩いて10分のところにある。今から休まず行けば余裕で着くが、あまり体力のない未亜は休みながら行くので、余裕を持って行く。

「あー、そろそろ行かないと」
「ごちそうしますえ。行ってらっしゃい」
「ありがとう、行ってきます」
 未亜は隣に置いてあったPCカバンをひったくるように取り、フロイデを後にした。

 道中のベンチで休みながら、バイト先の本屋に向かう。10分かかる道を、たっぷり20分かけて10分前に本屋についた。店内に入ると紙のにおいに包まれ、胸がときめく。
「おはよう、神谷さん」
 レジに立っている40代の男性が、柔和な笑みで挨拶をしてくれる。彼は坂本和仁。白髪混じりの髪を整髪料できれいに整えた、眼鏡がよく似合う中年男性だ。彼がこの本屋の店長である。

「おはようございます、店長」
 未亜は挨拶を返すとロッカールームへ行き、エプロンに着替えて売り場に出る。未亜が売り場に出たのとほぼ同時に、同じ時間帯で働く森翔が入ってきた。翔は今時の若者らしく髪を明るい茶色に染め、ピアスを開けている。よくこれで本屋の面接に受かったものだと、いつも思う。
「未亜ちゃんおはよ」
「おはよう、森さん。今日も馴れ馴れしいね」
 胡散臭いほどに明るい声で言っても、翔はにこにこしたままだ。ある程度観察眼が養われている未亜でも、翔の考えはイマイチ理解できない。
/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ