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好きと依存は紙一重
第2章 jester
 長襦袢からジャケットにジーパンというラフな格好に着替えると、髪をひとつにまとめてサングラスをかける。最初は未亜の案で渋々かけていたが、正体がバレることを何よりも恐れた連は、夜でもサングラスをしないと落ち着いて外出できなくなっていた。
 財布とスマホをポケットにねじ込むと、脳内のホテルリストをスクロールし、この時間から行っても嫌な顔をされないラブホテルを思い出してそこへ向かう。

 未亜にホテルを伝えながら向かい、彼女がイラついていたことを思い出す。
「なんか買って行きまひょか」
 コンビニに入ると未亜が好きなチョコ菓子とお茶を2本、泊まりになることを想定して、ふたり分の朝食としておにぎりとサラダを買っていく。
 ラブホテルの前に着くとスマホを確認するが、未亜から部屋にいるという連絡はない。

 連はホテルに入ると1番いい部屋を選び、受付に後から連れが来ると伝えて部屋に行く。
 3階にある部屋は広々としており、壁や床、クローゼットは焦げ茶色の木目調と白の大理石風でシックな雰囲気だ。ワインレッドのソファにある黒いクッションに、シャンデリアの下にあるソファと同じ色合いのベッドが、淫靡さを醸し出している。
 サングラスを外してガラス張りのテーブルに置くと、未亜に部屋の番号をラインで伝え、シャワーを浴びた。そんなに汗はかいていないと思うが、これから未亜を抱くのなら、少しでも身奇麗でいたかった。

 シャワーを終えて髪を乾かしていると、リズミカルなノックが聞こえてきた。ドライヤーを止めてドアを開けると、仏頂面の美亜が立っている。シンプルなプリントシャツに黒のスラックスと、色気のカケラもない格好だ。
「そないな顔してどないしたんどすか? 可愛い顔がわやどすえ」
「なーんか悪いこと重なっちゃってさー」
「チョコでも食べながら、話をしまひょか」
 そう言って未亜を招き入れると、後ろから抱きつかれた。いきなりのことに悲鳴を上げそうになるのをこらえ、なだめるように未亜の小さな手に触れる。
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