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好きと依存は紙一重
第2章 jester
「あっ、ああぁっ! も、ダメ……っ! イッちゃ、あああっ!」
「はぁ、うちも、もう……!」
 連は未亜を抱きしめ直すと、ラストスパートをかけた。連の腕の中で、未亜はガクガクと躯を震わせる。
「姫さん、姫さん……好き、愛してる……」
 熱に浮かされたように、愛を口にする。未亜は連にしがみつき、声にならない声を上げて果ててしまった。一足遅れて連も絶頂を迎える。

 静かな部屋に、ふたりの荒い息遣いだけが聞こえる。連はそのまま未亜の上に倒れてしまいたいのを我慢して起き上がると、ペニスを引き抜いた。
「あっ……」
 抜いた瞬間の、少しさみしそうな未亜の顔がたまらなく好きだ。できることなら、もう一度押し込んでめちゃくちゃに掻き回したい。

 欲望を抑えてコンドームをティッシュに丸めて捨てると、未亜の隣に寝転んで彼女を抱きしめる。無理して起きていたせいか、急に眠気が襲ってきた。
(姫さんの話、聞いてやらんとあかんのに……)
 起きなければと思えば思うほど瞼は重くなり、そのまま眠ってしまった……。

「もう、話聞いてくれるんじゃなかったの?」
 連の寝息が聞こえてくると、未亜は苦笑しながら彼の顔を見上げた。髪色とサングラスで近寄りがたい雰囲気が一気に出たが、寝顔はあどけない。
「まぁ、アタシが急に呼び出しちゃったから、仕方ないか」
 ゆっくり連の腕の中から抜け出すと、連の髪をひと撫でして風呂場へ行く。シャワーを使った形跡があるが、湯船は使っていないようだ。

 バブルバスを入れてお湯を入れると、部屋に戻ってスマホでツイッターを開く。黒犬とのやりとりを見返すと、なんでこんなことに自分が怒っていたのか不思議に思えてくる。
 少し腹立たしいところはあるものの、そこまで苛立つものでもないように思うから不思議だ。
「どんだけ情緒不安定なの、アタシ」
 力なく笑うと、小説投稿サイトを開いて、水音が止まるまでデリ恋の更新をした。
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