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好きと依存は紙一重
第1章 決意
「ここでいっか」
未亜は格安のファミレスの前に着くと、ようやく青年の手を離した。青年は未亜に手を差し伸べる。
「リュック、返してもろうてええどすか? それと、あんさんは……」
「え? あぁ、はい。とにかくさ、中に入ろ。クレームはその後に聞くからさ」
未亜はリュックサックを青年に返すと、ファミレスに入った。店員に席を案内してもらうと、さっそくメニューを開く。
「何がいいかなー? お兄さんも好きなの頼んでいいよ。なんたって今日のアタシは超リッチだからね」
パラパラとメニューを開きながら言う未亜に、青年は困惑する。
「自分のぶんは自分で出しますえ。それより、こういった店に来たことのうて……」
そう言って青年はそわそわした様子で店内を見回した。あまりにも浮世離れしている彼に、未亜の好奇心はますます刺激される。
「そういえばお兄さん綺麗な訛りだよね。それ、京都弁? てか、いい加減マスクとか外したら?」
「京都弁やなしに、京言葉言うとぉくれやす。京都弁やと、関西弁みたいで品があらへんやろう」
青年はむすっとしながら言うと、黒マスクとハンチング帽を外した。優しい中性的な顔をした青年に、未亜は吹き出す。
「人の顔を見て笑うなんて、失礼な方どすなぁ」
「だって、服装と顔と声がバラバラなんだもん」
「は?」
笑いながら言う未亜に、青年は訝しげな顔をする。
「まぁまぁ、まずなんか食べよ。今日いっぱい稼いだからお腹空いた。注文してあげるから、好きなもの選んでよ」
未亜は笑いをこらえながら、青年の前にメニュー表を置いた。青年はハンバーグやパスタのページには目もくれず、和食のページを開いて鯖の味噌煮定食を指差した。
「これ、頼めるのん?」
「鯖の味噌煮? 年寄り臭いチョイスだねー。ま、いいけど」
未亜は呼び出しボタンを押して店員を呼ぶと、ステーキセットと鯖の味噌煮定食、セットドリンクバーを2つ頼んだ。店員が厨房に行くと、未亜はドリンクバーを指差す。
未亜は格安のファミレスの前に着くと、ようやく青年の手を離した。青年は未亜に手を差し伸べる。
「リュック、返してもろうてええどすか? それと、あんさんは……」
「え? あぁ、はい。とにかくさ、中に入ろ。クレームはその後に聞くからさ」
未亜はリュックサックを青年に返すと、ファミレスに入った。店員に席を案内してもらうと、さっそくメニューを開く。
「何がいいかなー? お兄さんも好きなの頼んでいいよ。なんたって今日のアタシは超リッチだからね」
パラパラとメニューを開きながら言う未亜に、青年は困惑する。
「自分のぶんは自分で出しますえ。それより、こういった店に来たことのうて……」
そう言って青年はそわそわした様子で店内を見回した。あまりにも浮世離れしている彼に、未亜の好奇心はますます刺激される。
「そういえばお兄さん綺麗な訛りだよね。それ、京都弁? てか、いい加減マスクとか外したら?」
「京都弁やなしに、京言葉言うとぉくれやす。京都弁やと、関西弁みたいで品があらへんやろう」
青年はむすっとしながら言うと、黒マスクとハンチング帽を外した。優しい中性的な顔をした青年に、未亜は吹き出す。
「人の顔を見て笑うなんて、失礼な方どすなぁ」
「だって、服装と顔と声がバラバラなんだもん」
「は?」
笑いながら言う未亜に、青年は訝しげな顔をする。
「まぁまぁ、まずなんか食べよ。今日いっぱい稼いだからお腹空いた。注文してあげるから、好きなもの選んでよ」
未亜は笑いをこらえながら、青年の前にメニュー表を置いた。青年はハンバーグやパスタのページには目もくれず、和食のページを開いて鯖の味噌煮定食を指差した。
「これ、頼めるのん?」
「鯖の味噌煮? 年寄り臭いチョイスだねー。ま、いいけど」
未亜は呼び出しボタンを押して店員を呼ぶと、ステーキセットと鯖の味噌煮定食、セットドリンクバーを2つ頼んだ。店員が厨房に行くと、未亜はドリンクバーを指差す。