この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「ごめん……、ごめんね、連……」
 顔を上げると連は今にも泣きそうな顔をしており、罪悪感が重くのしかかって来る。少しでもお互いに気持ちが落ち着けばと、連を抱きしめ返す。
 通常より早い胸の鼓動と浅い呼吸が、密着することによって大きく聞こえる。

 どれくらいそうしていただろう? ひどく長い時間にも思えたし、そんなに経っていないようにも思えた。連は未亜を一度離すと、お姫様抱っこして部屋に入る。
「連、靴……」
 とっさに彼の首に掴まると、ぷらぷら揺れる自分の足が視界に入った。玄関からそのまま抱き上げられたため、スニーカーを履いたままだ。連は返事をすることなく未亜をソファに下ろすと、スニーカーを脱がせてガラス張りテーブルの下に置いた。いつもの未亜なら連を押しのけて玄関にスニーカーを置きに行っただろうが、今はそんな余裕などない。

 連は何も言わず、悲しげな顔を近づけ、触れるだけのキスをした。途端に感情が溢れ出し、ボロボロと涙が零れ落ちていく。
「姫さん……」
 狭いソファの上で、連は未亜に覆いかぶさり、髪を撫でる。
「連……あ、アタシ……怖かったけど、それ以上に悔しかった……。アイツ、なんにも知らないくせに、jesterの皆のこと、バカにして……。皆、必死で練習してんのに、働きながら、頑張ってんのに……。なのに……」
 子供のように泣きじゃくりながら必死に言葉を紡ぐ未亜を、連は優しく抱きしめる。

「jesterのために怒ってくれるのんは団長として嬉しゅう思います。あの男がjesterを侮辱するのを聞いとったら、うちも怒っとったやろう。それよりも、姫さんが傷つけられたことの方が辛い……。あんさんを傷つけられたり、失ったりするのが、何よりも怖いんどす……」
 連の涙が未亜の頬に零れ落ち、ひとつの雫となってソファを濡らした。
/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ