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好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「ごめん……、ごめんね、連……」
顔を上げると連は今にも泣きそうな顔をしており、罪悪感が重くのしかかって来る。少しでもお互いに気持ちが落ち着けばと、連を抱きしめ返す。
通常より早い胸の鼓動と浅い呼吸が、密着することによって大きく聞こえる。
どれくらいそうしていただろう? ひどく長い時間にも思えたし、そんなに経っていないようにも思えた。連は未亜を一度離すと、お姫様抱っこして部屋に入る。
「連、靴……」
とっさに彼の首に掴まると、ぷらぷら揺れる自分の足が視界に入った。玄関からそのまま抱き上げられたため、スニーカーを履いたままだ。連は返事をすることなく未亜をソファに下ろすと、スニーカーを脱がせてガラス張りテーブルの下に置いた。いつもの未亜なら連を押しのけて玄関にスニーカーを置きに行っただろうが、今はそんな余裕などない。
連は何も言わず、悲しげな顔を近づけ、触れるだけのキスをした。途端に感情が溢れ出し、ボロボロと涙が零れ落ちていく。
「姫さん……」
狭いソファの上で、連は未亜に覆いかぶさり、髪を撫でる。
「連……あ、アタシ……怖かったけど、それ以上に悔しかった……。アイツ、なんにも知らないくせに、jesterの皆のこと、バカにして……。皆、必死で練習してんのに、働きながら、頑張ってんのに……。なのに……」
子供のように泣きじゃくりながら必死に言葉を紡ぐ未亜を、連は優しく抱きしめる。
「jesterのために怒ってくれるのんは団長として嬉しゅう思います。あの男がjesterを侮辱するのを聞いとったら、うちも怒っとったやろう。それよりも、姫さんが傷つけられたことの方が辛い……。あんさんを傷つけられたり、失ったりするのが、何よりも怖いんどす……」
連の涙が未亜の頬に零れ落ち、ひとつの雫となってソファを濡らした。
顔を上げると連は今にも泣きそうな顔をしており、罪悪感が重くのしかかって来る。少しでもお互いに気持ちが落ち着けばと、連を抱きしめ返す。
通常より早い胸の鼓動と浅い呼吸が、密着することによって大きく聞こえる。
どれくらいそうしていただろう? ひどく長い時間にも思えたし、そんなに経っていないようにも思えた。連は未亜を一度離すと、お姫様抱っこして部屋に入る。
「連、靴……」
とっさに彼の首に掴まると、ぷらぷら揺れる自分の足が視界に入った。玄関からそのまま抱き上げられたため、スニーカーを履いたままだ。連は返事をすることなく未亜をソファに下ろすと、スニーカーを脱がせてガラス張りテーブルの下に置いた。いつもの未亜なら連を押しのけて玄関にスニーカーを置きに行っただろうが、今はそんな余裕などない。
連は何も言わず、悲しげな顔を近づけ、触れるだけのキスをした。途端に感情が溢れ出し、ボロボロと涙が零れ落ちていく。
「姫さん……」
狭いソファの上で、連は未亜に覆いかぶさり、髪を撫でる。
「連……あ、アタシ……怖かったけど、それ以上に悔しかった……。アイツ、なんにも知らないくせに、jesterの皆のこと、バカにして……。皆、必死で練習してんのに、働きながら、頑張ってんのに……。なのに……」
子供のように泣きじゃくりながら必死に言葉を紡ぐ未亜を、連は優しく抱きしめる。
「jesterのために怒ってくれるのんは団長として嬉しゅう思います。あの男がjesterを侮辱するのを聞いとったら、うちも怒っとったやろう。それよりも、姫さんが傷つけられたことの方が辛い……。あんさんを傷つけられたり、失ったりするのが、何よりも怖いんどす……」
連の涙が未亜の頬に零れ落ち、ひとつの雫となってソファを濡らした。