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好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
 愛される幸福、安心感に、涙が止まらない。それでも連を愛せず、ただただ依存してばかりの自分が恨めしい。
「連、アタシ……んんっ……!」
 唇を塞がれ、言葉を遮られた。咥内に舌が侵入し、味わい尽くすように歯列をなぞり、舌を絡めとられた。いつもより長いキスをしている間、連は未亜の存在を確かめるように、髪や頬、背中や肩に触れていく。連の指先から伝わってくる愛情をもっと感じようと、目を閉じる。

「姫さん、愛してます……。今のうちにはあんさんがすべてなんどす。そやさかい、あないな危険なこと、もう二度としいひんでください」
 泣き濡れた声で訴えながら、連は未亜の躯を愛撫していく。それは未亜が教えこんだ少し乱暴なものではなく、壊れ物を扱うような愛撫。強めの愛撫を好む未亜だが、今回ばかりは彼の優しさがありがたかった。
「ごめんね、連……。もう、あんなことしない……」
 未亜の言葉に連は安堵の笑みを見せ、触れるだけのキスをした。唇が離れて目が合うと、泣き濡れているというのに、彼の顔が凛々しく見えて胸がトクンと高鳴る。

(あぁ、今日は全部連に任せよう……)
 いつもならもっと激しくしてほしいと催促するが、今日は連に優しく愛されていたかった。躯の力を抜き、連にされるがままに愛されていく。
 恋に恋する乙女が憧れるような連のセックスは、とても心地がよく、触れられるたびに恐怖が緩和していった。

 行為が終わると、連は狭苦しいソファの中で未亜を抱きしめて眠ろうとする。このまま寝られては困ると彼を揺するも、小さな唸り声を上げるだけ。
「ねぇ、連」
「んー……」
「連ってば」
「んー……」
 さっきまでの凛々しさはどこへやら。いくら呼びかけても幼子の様に唸るだけでまったく動こうとしない。かと言って抜け出そうとすると、腕に力を込められてしまい、身動きが取れなくなる。
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