この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「ねぇ、連。ここで寝ないでよ。せめてベッド行こ?」
「ん……」
 未亜が腕を揺すりながら言うと、連は渋々頷いて彼女を抱き上げる。ベッドまで未亜を運ぶと、すぐに彼女に抱きついた。その姿がまるで怪談でも聞いた子供のようで、可愛らしく見えてしまう。

「随分べったりさんだね」
「それだけ不安やったんどす」
 拗ねたように言うと、未亜を抱きしめる腕に力を込める。
「姫さん、しばらくはうちんねきを離れへんどぉくれやす。あの男が捕まるまで、ビルにおってください」
「ねき?」
 こういう時は黙って頷いていればいいものを、聞きなれない言葉に、つい聞き返してしまう。

「……そばにおってください」
 少し気まずそうに言う連のおかげで、言葉の意味を理解する。それと同時に、どうしたものかと考える。連が恐れているように、またあの男が襲ってくるかもしれない。そう考えると連の言うとおり、ビルにいた方が安全だろう。きっとバイトの送り迎えだって、連は嫌な顔をせずにしてくれる。
 それでも完全にひとりの時間がないというのは、精神的にキツいものがある。

「……うん、分かった」
 考えた末に、一時的なストレスよりも身の安全を優先した。何よりも、これ以上連に迷惑をかけたくなかった。
「それ聞いてホッとしました。姫さんのことはうちが守るさかい、安心しとぉくれやす」
「うん、ありがとう。頼りにしてる」
 そう言って笑いかけると、連も笑みを返してくれる。ふたりはシャワーを浴びて少し早めの夕飯を食べると、ラブホテルを後にした。

 ふたりで雑居ビルに帰ると、不審な人影が1階のドアの前に立っている。ガシャガシャと音を立て、ドアを壊そうとしている。
「姫さん、危ないさかい、うちから離れへんどぉくれやす」
 連は未亜に耳打ちをすると、彼女を後ろに隠すようにして男にそっと近づく。男はドアをこじ開けるのに必死で、ふたりが近づいていることに気づいていない。
/129ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ