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好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「何をしている」
 連がドスの利いた声を出すと、不審者は持っていた道具を落として振り返る。不審者の顔を見て、未亜は悲鳴を上げた。
 不審者の正体は未亜を襲った男だった。

 男は一瞬たじろぐも、ポケットから折りたたみナイフを出して、奇声を上げながら襲いかかる。
 未亜は思わず目を閉じる。聞こえてきたのは舌打ち、ナイフが落ちる音、そして男の悲鳴。
 恐る恐る目を開けると、連は男の腕をねじり上げ、壁に押さえつけていた。

「痛いぃ! やめろよ!」
 涎や鼻水を垂らしながら泣き喚く男に、吐き気を覚える。逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていると、連の怒声が飛んでくる。
「姫さん、はよ警察を!」
「あ、うん……!」
 我に返って震える手でスマホを出すも、すぐに落としてしまう。
(なにやってんの、アタシ!)
 自分の失態に苛立ちながらスマホを拾っていると、ふたり分の足音がこちらに近づいてくる。そちらに顔を向けると、心太と凛子がこちらに向かって走ってきている。

「団長、その人は!?」
「不審者や、はよ警察呼んで!」
 心太が驚きながら聞くと、連は再び怒声を飛ばす。心太は自分のスマホで警察を呼び、凛子は未亜へ駆け寄り、手を握ってくれた。彼女のぬくもりに力が抜けて倒れそうになるのを、ぐっと堪える。
「シャムちゃん、大丈夫?」
「うん、なんとか……」
 強がってはみるものの、声と身体が震えてしまう。凛子は何も言わず、手を握り直してくれた。そんなふたりの元へ、心太が駆け寄ってくる。

「今日向さんに連絡したら、フロイデ開けてくれるらしい。凛子、先生連れてフロイデ行け」
「うん、分かった。行こ、シャムちゃん」
 凛子に手を引かれ、フロイデへ向かう。店に入る前に振り返ると、連の足元に赤いポリタンクが見えてゾッとした。
 店の前まで来るとドアが開けられ、真理亜が手招きをしている。急いで店に入ると、ふたりは大きく息を吐いた。
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