この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
翌日、先に起きた未亜は台所に行って連の朝食を作ろうと冷蔵庫を開ける。だが、冷蔵庫に入っていたのはCM並の缶ビールと卵がふたつだけ。ダメ元で野菜室を開けるも、空っぽだ。冷凍庫を開けても氷しかない。
「このアル中は……」
普段の食生活が心配になり、頭を抱える。あれだけ口うるさい連のことだから、たまたま食材が切れているだけなのだろうが、それを差し引いてもこの冷蔵庫はいただけない。
幸い米びつの中身はいっぱいだったため、卵雑炊を作ることにした。元々料理が好きな未亜は、感覚で調味料を足していく。台所が食欲をそそる優しいにおいでいっぱいになると、気怠げな足音がこちらに向かってくるのが聞こえた。
「何作ってるんどす?」
まだ眠そうな連は、目をこすりながら聞いてくる。
「卵雑炊。もうちょっとかかるから、顔洗ってきな」
「はい」
連は素直に返事をすると、回れ右をして台所から出ていく。
米が柔らかくなったか確認すると、まだ少し生っぽい。食べられるようになるまで、あと10分は掛かりそうだ。水と調味料を足して再びじっくり煮詰めていく。
10分以上煮込んで米が柔らかくなると、最後に味を整えてお茶碗によそう。それでも連はまだ来ない。
「何してんだろ?」
鍋に蓋をして酒用の棚を開ける。様々な洋酒の隅に、炭酸水がぽつんと置いてある。それを取ると別の棚からレモン汁とガムシロを出し、炭酸水に入れてよく混ぜる。
本当は冷たいお茶を飲みたかったが、わざわざ急須を使ってお茶を淹れるのはめんどうだ。電気ケトルや電気ポットがあれば淹れたかもしれないが、ここにはそういったものはない。水道水はカルキ臭いので、飲みたくない。
不健康な冷蔵庫しかない台所で未亜が飲めるものと言えば、今作ったレモンスカッシュもどきと手間暇かけて淹れるお茶くらいだ。
お手製のレモンスカッシュもどきを飲んでいると、ようやく連が戻ってきた。服装が変わっていることから、彼がシャワーを浴びていたことが分かる。
「このアル中は……」
普段の食生活が心配になり、頭を抱える。あれだけ口うるさい連のことだから、たまたま食材が切れているだけなのだろうが、それを差し引いてもこの冷蔵庫はいただけない。
幸い米びつの中身はいっぱいだったため、卵雑炊を作ることにした。元々料理が好きな未亜は、感覚で調味料を足していく。台所が食欲をそそる優しいにおいでいっぱいになると、気怠げな足音がこちらに向かってくるのが聞こえた。
「何作ってるんどす?」
まだ眠そうな連は、目をこすりながら聞いてくる。
「卵雑炊。もうちょっとかかるから、顔洗ってきな」
「はい」
連は素直に返事をすると、回れ右をして台所から出ていく。
米が柔らかくなったか確認すると、まだ少し生っぽい。食べられるようになるまで、あと10分は掛かりそうだ。水と調味料を足して再びじっくり煮詰めていく。
10分以上煮込んで米が柔らかくなると、最後に味を整えてお茶碗によそう。それでも連はまだ来ない。
「何してんだろ?」
鍋に蓋をして酒用の棚を開ける。様々な洋酒の隅に、炭酸水がぽつんと置いてある。それを取ると別の棚からレモン汁とガムシロを出し、炭酸水に入れてよく混ぜる。
本当は冷たいお茶を飲みたかったが、わざわざ急須を使ってお茶を淹れるのはめんどうだ。電気ケトルや電気ポットがあれば淹れたかもしれないが、ここにはそういったものはない。水道水はカルキ臭いので、飲みたくない。
不健康な冷蔵庫しかない台所で未亜が飲めるものと言えば、今作ったレモンスカッシュもどきと手間暇かけて淹れるお茶くらいだ。
お手製のレモンスカッシュもどきを飲んでいると、ようやく連が戻ってきた。服装が変わっていることから、彼がシャワーを浴びていたことが分かる。