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好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
 顔を上げると連とサングラス越しに目が合った。表情は分かりにくいが、不思議そうな顔をしているように見える。
「こないなところで会うやなんて珍しい。何してはるんどすか?」
「次の台本、ラスト行き詰まっちゃって。なんかヒントないかなってフラフラしてる。さっきは他の演劇観てきた」
「そうどしたか。散歩がてら、ついて行ってもええどすか?」
「もちろん。違う視点で何か見つけてくれそうだしね」
 ふたりで街をあてもなく歩くことになった。大通りはつまらないからと、裏路地を歩く10分も歩いていると、どこかの劇場の裏につく。

 着物を着た人や、和楽器を抱えた人などが、ワゴン車と劇場の間を右往左往する。その中で、薄桃色の着物を着た女性がひときわ目立つ。可憐で素直そうな女性は、だいたい未亜と同じくらいの年齢だろうか。紺色の着物を着た中年女性に何か言われながら荷物を受け取る。
 彼女が劇場内に入ろうと向きを変えると、こちらと目が合った。着物の女性は目を見開くも、再び中年女性に何か言われ、慌てて場内に荷物を運ぶ。

 連は無言で踵を返し、逃げるように早歩きでその場を立ち去ろうとする。未亜は置いていかれまいと、彼のジャケットの裾を掴んで歩く。
 大通りに出ていくつか横断歩道を渡ると、連はようやく足を止める。
(どうしよう……)
 彼らの服装や持ち物からして、連の知り合いである可能性が高い。知り合いどころか、家族や仲間かもしれない。そう考えると、どう声をかけていいのか分からなかった。

「まさか、彼らに遭遇するやなんて、思ってもみまへんどした。東京でも、なんべんも公演しとったちゅうのに……」
 我ながら間抜けだと自嘲する。
「お仲間?」
 未亜の問いに、連は苦々しい顔をして頷くと、近くのカフェを指差した。
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