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好きと依存は紙一重
第4章 一難去ってまた一難
「まあね。といっても、洋画はほとんど字幕版して観てないけど」
「というと?」
「意識高い系の人中には、吹替版も字幕版も観ないと観たとは言えないって言う人もいるんだよね。ま、知ったこっちゃないけど。アニメ映画もあるけど、それもすっごく面白いから観てね」
「姫さんはほんまに映画や本が好きなんどすなぁ。あの部屋には、もっとあるんやろう?」
ディスクケースの中をめくりながら、連は微笑ましげに言う。これを機に連が映画にハマったら、部屋に入れて驚かせよう。そう考えただけで、ニヤけそうになる。
「それなりにね」
驚かせるためにもそうでもないふうに装うと、連はテーブルの上にディスクケースを置き、タイトルしか書いてないディスクを指差した。
「これってどないな映画なんどすか?」
「あぁ、それはね」
未亜はネタバレしないように気をつけながら、映画のあらすじを伝える。連が目を輝かせて続きを促すものだから、気づいたら映画鑑賞が始まっていた。
お茶を飲み、チョコを食べながら、時折感想を言い合う映画鑑賞は、今までで1番楽しかった。その後何本も観続け、気がつけばもう日付が変わろうとしていた。
「もうこないな時間に……。楽しおして時間のことなんて気にしてまへんどした」
「あっはは、アタシも。もう遅いし、泊まってく?」
「恋仲でもあらへん女性の部屋に泊まるなんてあきまへん。帰ります」
ついさっきまでほがらかに笑っていたというのに、急に真顔になってしまったのが寂しい。彼が望む好意を持てないのにと内心自嘲し、笑顔を貼り付ける。
「真面目だなぁ、連は。ていうか、ホテルならそのまま一緒に泊まっちゃうことがほとんどなのに」
「そらそれ、こらこれどす」
微かに頬を染めながら言う連に、変なところで初心だと内心苦笑しながらも、玄関を指差した。
「はいはい、玄関は向こうね。気をつけてね」
「またそうやって笑うて……。お邪魔しました」
どうやら顔に出ていたらしく、連は拗ね気味に言いながら未亜の部屋を出た。
「というと?」
「意識高い系の人中には、吹替版も字幕版も観ないと観たとは言えないって言う人もいるんだよね。ま、知ったこっちゃないけど。アニメ映画もあるけど、それもすっごく面白いから観てね」
「姫さんはほんまに映画や本が好きなんどすなぁ。あの部屋には、もっとあるんやろう?」
ディスクケースの中をめくりながら、連は微笑ましげに言う。これを機に連が映画にハマったら、部屋に入れて驚かせよう。そう考えただけで、ニヤけそうになる。
「それなりにね」
驚かせるためにもそうでもないふうに装うと、連はテーブルの上にディスクケースを置き、タイトルしか書いてないディスクを指差した。
「これってどないな映画なんどすか?」
「あぁ、それはね」
未亜はネタバレしないように気をつけながら、映画のあらすじを伝える。連が目を輝かせて続きを促すものだから、気づいたら映画鑑賞が始まっていた。
お茶を飲み、チョコを食べながら、時折感想を言い合う映画鑑賞は、今までで1番楽しかった。その後何本も観続け、気がつけばもう日付が変わろうとしていた。
「もうこないな時間に……。楽しおして時間のことなんて気にしてまへんどした」
「あっはは、アタシも。もう遅いし、泊まってく?」
「恋仲でもあらへん女性の部屋に泊まるなんてあきまへん。帰ります」
ついさっきまでほがらかに笑っていたというのに、急に真顔になってしまったのが寂しい。彼が望む好意を持てないのにと内心自嘲し、笑顔を貼り付ける。
「真面目だなぁ、連は。ていうか、ホテルならそのまま一緒に泊まっちゃうことがほとんどなのに」
「そらそれ、こらこれどす」
微かに頬を染めながら言う連に、変なところで初心だと内心苦笑しながらも、玄関を指差した。
「はいはい、玄関は向こうね。気をつけてね」
「またそうやって笑うて……。お邪魔しました」
どうやら顔に出ていたらしく、連は拗ね気味に言いながら未亜の部屋を出た。